直腸肛門原発の無色素性悪性黒色腫の1例
今回われわれは悪性黒色腫に特徴的な黒色を呈さない直腸肛門原発の無色素性悪性黒色腫の1例を経験したので報告する.症例は72歳の男性で下血を主訴に当院入院.歯状線口側に直径1.5cm大の亜有茎性のポリープを認め表面の色彩は暗赤色であった.生検の結果低分化型腺癌の可能性があり,経肛門的に局所切除を行った.病理組織学的には明るく大きな核小体を有する多型性の細胞がシート状に配列しメラニン色素はほとんど認められず, S-100蛋白, HMB-45染色が強陽性であり無色素性悪性黒色腫と診断した. 4カ月後に局所再発を認めたが,初回同様経肛門的に局所切除を行った.歯状線近傍の隆起性病変の診断の際には無色素性悪...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 4; pp. 1012 - 1016 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | English Japanese  | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        25.04.2004
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.65.1012 | 
Cover
| Summary: | 今回われわれは悪性黒色腫に特徴的な黒色を呈さない直腸肛門原発の無色素性悪性黒色腫の1例を経験したので報告する.症例は72歳の男性で下血を主訴に当院入院.歯状線口側に直径1.5cm大の亜有茎性のポリープを認め表面の色彩は暗赤色であった.生検の結果低分化型腺癌の可能性があり,経肛門的に局所切除を行った.病理組織学的には明るく大きな核小体を有する多型性の細胞がシート状に配列しメラニン色素はほとんど認められず, S-100蛋白, HMB-45染色が強陽性であり無色素性悪性黒色腫と診断した. 4カ月後に局所再発を認めたが,初回同様経肛門的に局所切除を行った.歯状線近傍の隆起性病変の診断の際には無色素性悪性黒色腫も念頭に入れ,術後は厳重な経過観察が重要と考えられた. | 
|---|---|
| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.65.1012 |