ヒト歯根膜線維芽細胞におけるEarly Growth Responseの発現
【目的】Early Growth Response(EGR)は, Znフィンガードメインをもつ転写因子で, 細胞増殖の重要な制御因子と考えられている. 本研究で, ヒト歯根膜線維芽細胞(PLF)におけるEGR-1およびEGR-2の発現性を検索して, PLFの増殖とEGRとの関連を検討した. 【方法】ヘルシンキ条約に則り, 同意を得た3名の患者からいただいた抜去歯のPLFを採取, 単離して, 継代3代目から7代目を実験に供した. PLFをDulbecco's Modified Eagle Medium(DME)のみで2日間培養した後, 10%ウシ胎仔血清(FCS)含有DMEで15, 3...
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| Published in | 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 44; no. 5; p. 428 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
歯科基礎医学会
20.09.2002
Japanese Association for Oral Biology |
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| ISSN | 0385-0137 |
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| Summary: | 【目的】Early Growth Response(EGR)は, Znフィンガードメインをもつ転写因子で, 細胞増殖の重要な制御因子と考えられている. 本研究で, ヒト歯根膜線維芽細胞(PLF)におけるEGR-1およびEGR-2の発現性を検索して, PLFの増殖とEGRとの関連を検討した. 【方法】ヘルシンキ条約に則り, 同意を得た3名の患者からいただいた抜去歯のPLFを採取, 単離して, 継代3代目から7代目を実験に供した. PLFをDulbecco's Modified Eagle Medium(DME)のみで2日間培養した後, 10%ウシ胎仔血清(FCS)含有DMEで15, 30, 45, 60, そして120分間それぞれ培養して, 5-Bromo2' -deoxyuridine(BrdU)取り込み量をELISA法で, EGR-1, -2の発現性をWestern blotおよびImmunocytochemistryで検索した. 【結果】BrdU取り込み量はFCS添加45分後でピークを示した. EGR-1は15分後から発現の増加が認められ, 特に30分後での局在は核やその周囲に集中していた. EGR-2は30分後をピークとし, 45分後で核やその周囲で強い反応が認められた. 【考察】PLFにおいて, EGR-1, -2ともに増殖の制御に関与して, EGR-1がより早期に機能発現することが示唆された. |
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| ISSN: | 0385-0137 |