消化性潰瘍-出血の病態生理と治療 (急性胃粘膜病変を含む)

消化性潰瘍-出血の病態生理と治療(急性胃粘膜病変)という題をもらった.広い意味では急性胃粘膜病変は消化性潰瘍に含まれていることもあるが,与えられた題の内容から察すると,消化性潰瘍と急性胃粘膜病変とは異なるものであると考えた方がよいようである.著者らもこれまで消化性潰瘍とは慢性の経過をたどり,組織学的にも慢性の変化がみられるもの,急性胃粘膜病変とほ急激に発症し,組織学的には急性の変化しかみられないような場合と分けて考えてきた.消化性潰瘍と急性胃粘膜病変とを,特に区別する必要のない時には胃・十二指腸潰瘍という言葉を用いてきた.今回も消化性潰瘍,急性胃粘膜病変とに分けて使った.まず,病態生理の面につ...

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Bibliographic Details
Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 22; no. 8; pp. 2143 - 2146
Main Author 亀山, 仁一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.08.1989
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.22.2143

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Summary:消化性潰瘍-出血の病態生理と治療(急性胃粘膜病変)という題をもらった.広い意味では急性胃粘膜病変は消化性潰瘍に含まれていることもあるが,与えられた題の内容から察すると,消化性潰瘍と急性胃粘膜病変とは異なるものであると考えた方がよいようである.著者らもこれまで消化性潰瘍とは慢性の経過をたどり,組織学的にも慢性の変化がみられるもの,急性胃粘膜病変とほ急激に発症し,組織学的には急性の変化しかみられないような場合と分けて考えてきた.消化性潰瘍と急性胃粘膜病変とを,特に区別する必要のない時には胃・十二指腸潰瘍という言葉を用いてきた.今回も消化性潰瘍,急性胃粘膜病変とに分けて使った.まず,病態生理の面については出血自体の病態生理,出血時の胃・十二指腸潰瘍の病態生理について,ついで,治療としては手術適応,手術のタイミング,手術術式などについて,経験した症例や実験成績も交え報告してみたい.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.22.2143