月経異常を呈する長距離走選手の骨代謝に関する横断調査

〔要旨〕 目的:女性アスリートでは相対的エネルギー不足を背景として疲労骨折が好発し, 中でも女子長距離走選手ではその発生率が高い. 本調査の目的は女子長距離走選手の骨代謝の特徴を明らかにすることである. 対象:対象は大学女子駅伝選手18名で, 平均年齢は19.6±1.1歳であった. 月経異常の有無を聴取した. 血液検査にて骨形成, 骨吸収, 骨質マーカー, 炎症性サイトカインを測定し, Spearman相関係数を算出した. 結果と考察:94%が月経異常を呈していた. 血清NTxは全例で高値を示し, 骨形成マーカーと正の相関を示した. ホモシステインはTNF-αと正に相関したが異常値は示さなかっ...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 25; no. 3; pp. 354 - 359
Main Authors 佐々木英嗣, 藤田有紀, 米田勝朗, 衣笠祥子, 加藤健, 津田英一, 石橋恭之, 梅田孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2017
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕 目的:女性アスリートでは相対的エネルギー不足を背景として疲労骨折が好発し, 中でも女子長距離走選手ではその発生率が高い. 本調査の目的は女子長距離走選手の骨代謝の特徴を明らかにすることである. 対象:対象は大学女子駅伝選手18名で, 平均年齢は19.6±1.1歳であった. 月経異常の有無を聴取した. 血液検査にて骨形成, 骨吸収, 骨質マーカー, 炎症性サイトカインを測定し, Spearman相関係数を算出した. 結果と考察:94%が月経異常を呈していた. 血清NTxは全例で高値を示し, 骨形成マーカーと正の相関を示した. ホモシステインはTNF-αと正に相関したが異常値は示さなかった. 月経異常者率の高い女子長距離走選手は高骨代謝回転を示し, 疲労骨折に対して不利な環境にあった.
ISSN:1346-4159