アルコール・薬物中毒を欠格条件とする職務への適性に関する診断書発行上における科学的な評価の必要性

資格取得や会社設立・新規事業開設時に不可欠な診断書の中に, アルコール・麻薬・大麻・あへん・覚せい剤(以下アルコール・薬物とする)がある. 各事例により指定される項目には差があり, 5項目すべて・4項目・3項目・2項目などさまざまである. 法律の許可条件には欠格事項として「中毒者でないと認められる」や「中毒者に該当しない」が明文化されている. 資格取得や会社設立・新規事業開設時に不可欠な診断書であるために, 産業保健に深く関わる業務と考えられる. 本稿は事業所事例と産業医の意識調査を通して得られた, 産業保健および産業医のリスク管理についての話題提供である. ある事業所では福利厚生制度に基づい...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 51; no. 3; pp. 33 - 34
Main Authors 野田治代, 福田笑子, 三輪祐一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.05.2009
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ISSN1341-0725

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Summary:資格取得や会社設立・新規事業開設時に不可欠な診断書の中に, アルコール・麻薬・大麻・あへん・覚せい剤(以下アルコール・薬物とする)がある. 各事例により指定される項目には差があり, 5項目すべて・4項目・3項目・2項目などさまざまである. 法律の許可条件には欠格事項として「中毒者でないと認められる」や「中毒者に該当しない」が明文化されている. 資格取得や会社設立・新規事業開設時に不可欠な診断書であるために, 産業保健に深く関わる業務と考えられる. 本稿は事業所事例と産業医の意識調査を通して得られた, 産業保健および産業医のリスク管理についての話題提供である. ある事業所では福利厚生制度に基づいて, 月曜日から金曜日の業務日に異なる1名の臨床医が嘱託契約で勤務するが, その中の1名は嘱託産業医として選任され, 産業看護職1名が常勤する形態である. 時に, 業務との関連で社員から今回話題とするアルコール・薬物に関する内容の診断書発行の申し出があり, その都度嘱託医師から記載を拒否され, 産業看護職と企業の困惑を招く事例が起きる状況があった.
ISSN:1341-0725