開発可能性を確保した逆線引きの抱える課題に関する一考察 暫定逆線引き地区における開発許可制度の緩和と市街化区域再編入の取り組みを対象として

本研究では、逆線引きされた地区で3411条例を適用した事例を対象として、都市計画行政と開発行政の変則的状況によって生じた開発と市街地形成の実態を明らかにした。その結果、以下の事象が明らかとなった。逆線引きされた地区にある3411条例の区域は、逆線引き前後に生じた規制強化への不満を回避する方策として指定された。逆線引きされた地区では、既存宅地制度による開発に止まらず、その制度の廃止後も、新たな開発審査会基準や3411条例の適用によって開発は更に進行した。その結果、既存宅地制度による開発と同様に、基盤整備が乏しい地区で市街地が形成された。そして、法34条但し書きの法的解釈が周辺環境に支障となる開発...

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Published in都市計画論文集 p. 54
Main Authors 松川, 寿也, 岩本, 陽介, 中出, 文平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本都市計画学会 2008
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ISSN1348-284X
1348-284X
DOI10.11361/cpij1.43.0.54.0

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Summary:本研究では、逆線引きされた地区で3411条例を適用した事例を対象として、都市計画行政と開発行政の変則的状況によって生じた開発と市街地形成の実態を明らかにした。その結果、以下の事象が明らかとなった。逆線引きされた地区にある3411条例の区域は、逆線引き前後に生じた規制強化への不満を回避する方策として指定された。逆線引きされた地区では、既存宅地制度による開発に止まらず、その制度の廃止後も、新たな開発審査会基準や3411条例の適用によって開発は更に進行した。その結果、既存宅地制度による開発と同様に、基盤整備が乏しい地区で市街地が形成された。そして、法34条但し書きの法的解釈が周辺環境に支障となる開発行為を認めさせた上に、地区計画による再編入後の市街地整備の方向性にまで影響を与えた。
Bibliography:54
ISSN:1348-284X
1348-284X
DOI:10.11361/cpij1.43.0.54.0