口腔扁平上皮癌における遠隔転移例の検討 原発・頸部制御例における遠隔転移発現に関与する因子について

口腔癌の遠隔転移発現に関与する因子を明らかにする目的で, 頸部転移様相をはじめとする臨床的・病理組織学的所見を検討した。 1974年から1995年までに根治的治療を行った口腔扁平上皮癌535例中, 原発・頸部制御例は427例であった。頸部転移の有無で遠隔転移の発現率をみると頸部転移群では25/112 (22.3%) , 非転移群では5/315 (1.6%) で両群間に有意差がみられた (p<.001) 。このことより頸部転移群は遠隔転移のハイリスクグループであることが明らかとなった。今回ハイリスクグループである頸部転移群112例を対象に, さらに関連性の高い因子を検討すべく多重ロジスティ...

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Published in日本口腔腫瘍学会誌 Vol. 11; no. 2; pp. 106 - 112
Main Authors 榊原, 典幸, 小野, 貢伸, 北田, 秀昭, 福田, 博, 鄭, 漢忠, 野谷, 健一, 牧野, 修治郎, 戸塚, 靖則, 原田, 浩之, 村松, 宰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会 15.06.1999
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ISSN0915-5988
1884-4995
DOI10.5843/jsot.11.106

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Summary:口腔癌の遠隔転移発現に関与する因子を明らかにする目的で, 頸部転移様相をはじめとする臨床的・病理組織学的所見を検討した。 1974年から1995年までに根治的治療を行った口腔扁平上皮癌535例中, 原発・頸部制御例は427例であった。頸部転移の有無で遠隔転移の発現率をみると頸部転移群では25/112 (22.3%) , 非転移群では5/315 (1.6%) で両群間に有意差がみられた (p<.001) 。このことより頸部転移群は遠隔転移のハイリスクグループであることが明らかとなった。今回ハイリスクグループである頸部転移群112例を対象に, さらに関連性の高い因子を検討すべく多重ロジスティック解析を行った。その結果, 転移リンパ節レベルのオッズ比が3.960と最も高く, レベルの進展した症例に対する遠隔転移の対策が必要と考えられた。
ISSN:0915-5988
1884-4995
DOI:10.5843/jsot.11.106