口臭の自覚に関連した因子の検討
「緒言」近年, 口臭を主訴として歯科を受診する人が増加している. 口臭の原因にはう蝕, 歯周病, 舌苔, 口腔清掃不良, 義歯の利用, 唾液分泌量の低下など口腔内の問題が比較的多いとされている. その他には内科領域や耳鼻科領域の疾患, 不規則な生活習慣や体調の変化, 食物やタバコなどの影響なども挙げられる1-3). 一方, 口臭の強さは1日のなかで変動しており, 日常では口臭を認めない者でも起床時, 空腹時, 疲労時などに生理的口臭が認められるともいわれている4). 北海道大学病院歯科診療センターでは, 平成12年12月より口臭専門外来を開設し, 口臭を主訴とする者の治療を行ってきた. 口臭専...
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| Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 56; no. 2; pp. 198 - 200 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本口腔衛生学会
30.04.2006
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0023-2831 |
Cover
| Summary: | 「緒言」近年, 口臭を主訴として歯科を受診する人が増加している. 口臭の原因にはう蝕, 歯周病, 舌苔, 口腔清掃不良, 義歯の利用, 唾液分泌量の低下など口腔内の問題が比較的多いとされている. その他には内科領域や耳鼻科領域の疾患, 不規則な生活習慣や体調の変化, 食物やタバコなどの影響なども挙げられる1-3). 一方, 口臭の強さは1日のなかで変動しており, 日常では口臭を認めない者でも起床時, 空腹時, 疲労時などに生理的口臭が認められるともいわれている4). 北海道大学病院歯科診療センターでは, 平成12年12月より口臭専門外来を開設し, 口臭を主訴とする者の治療を行ってきた. 口臭専門外来受診者には, 口臭の自覚がある者とない者がいる. 自覚がある場合でも, 判定すると, 官能試験や口臭検査機器の測定値からすべての者が口臭が強いと判定されるわけではなく, 口臭は弱く, 生理的範囲内と判定される場合がある. 一方では, 口臭の自覚がない場合でも, 口臭が強いと判定されることがある. 口臭の自覚にはどのような因子が関連するのか, 十分に解明されていないのが現状である. 本研究の目的は, 口臭の自覚に関連する因子を検討することである. |
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| ISSN: | 0023-2831 |