ブタの産肉及び繁殖形質に関するQTL解析-家畜改良センターにおけるブタの遺伝子解析
「はじめに」日本の養豚はこの数十年ほどで大きく変化してきた. 豚肉の自給率は, 1970年では98%であったのが, 翌年, 1971年の豚肉の輸入自由化から年々減少を続けている. 現在の自給率は約50%にまで低迷し, 逆に輸入量は増加して国内の約50%が外国産で占められている. また, 消費者の食肉の安全性への要求は強くなり, BSEや鶏インフルエンザなどの疾病発生の影響も受けて豚肉の需要が増えた. さらには, 肉質に特徴あるブランド化された豚肉への関心も高まっている. 海外からの低価格豚肉の輸入が増加する一方で, 国内の養豚産業に対しては, 消費者ニーズに対応した高品質な豚肉生産への期待が寄...
Saved in:
Published in | 動物遺伝育種研究 Vol. 35; no. 2; pp. 147 - 160 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本動物遺伝育種学会
2007
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-9961 |
Cover
Summary: | 「はじめに」日本の養豚はこの数十年ほどで大きく変化してきた. 豚肉の自給率は, 1970年では98%であったのが, 翌年, 1971年の豚肉の輸入自由化から年々減少を続けている. 現在の自給率は約50%にまで低迷し, 逆に輸入量は増加して国内の約50%が外国産で占められている. また, 消費者の食肉の安全性への要求は強くなり, BSEや鶏インフルエンザなどの疾病発生の影響も受けて豚肉の需要が増えた. さらには, 肉質に特徴あるブランド化された豚肉への関心も高まっている. 海外からの低価格豚肉の輸入が増加する一方で, 国内の養豚産業に対しては, 消費者ニーズに対応した高品質な豚肉生産への期待が寄せられている. そのため, 種豚の改良の効率化や飼養・衛生管理の高度化を図り, 国産豚肉の生産基盤を強化する必要がある. わが国では産肉能力, 繁殖能力の向上, 特徴ある肉質の豚肉生産に向け, 国および地方の公的機関による系統造成と, 民間の開放型育種により種豚の改良が進められてきた. |
---|---|
ISSN: | 1345-9961 |