高齢者施設における言語聴覚士の役割とは
介護保険の導入後, STが人員基準に含まれるようになったこともあり, 介護老人保健施設(老健)に勤務するSTが急増している. 2001年4月, 我々は全国94の高齢者施設(主に老健)を対象にアンケート調査を実施し, 54施設から回答を得た. 老健で働くSTの悩みの背景は, (1)制度面の立ち遅れ, (2)STとしての技法方法論の不足, (3)STの役割の不明確さ, (4)他職種からの理解の得られにくさの4つに集約された. STとしての立場を確立していった人達のアプローチの分析から, 老健におけるSTの役割は大きく3つに分けることができると考えられた. (1)生活モデルに沿った, 利用者全体に関...
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          | Published in | 聴能言語学研究 Vol. 19; no. 1; pp. 29 - 34 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本聴能言語学会
    
        25.04.2002
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| ISSN | 0912-8204 | 
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| Summary: | 介護保険の導入後, STが人員基準に含まれるようになったこともあり, 介護老人保健施設(老健)に勤務するSTが急増している. 2001年4月, 我々は全国94の高齢者施設(主に老健)を対象にアンケート調査を実施し, 54施設から回答を得た. 老健で働くSTの悩みの背景は, (1)制度面の立ち遅れ, (2)STとしての技法方法論の不足, (3)STの役割の不明確さ, (4)他職種からの理解の得られにくさの4つに集約された. STとしての立場を確立していった人達のアプローチの分析から, 老健におけるSTの役割は大きく3つに分けることができると考えられた. (1)生活モデルに沿った, 利用者全体に関わる働きかけ, (2)狭義のコミュニケーション障害をもつ利用者への援助, (3)他職員への教育的役割. 今後は老健STについてのガイドラインの作成, 対象者に適した評価法の開発, STとしての技法技術の開発, ニーズに合わせた講習会の実施など職能団体, 学術団体からの支援が求められる. | 
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| ISSN: | 0912-8204 |