日本の英語教育政策に関する議論の特徴 国会会議録を用いた他教科等との比較

本研究は,国会会議録の分析をとおして日本の英語教育の政策過程における議論の特徴を明確にすることを試みたものである。先行研究により,国会における英語教育政策のイシューやアクターの特徴について様々な分析が行われているが,本研究では他教科等との比較分析を通じてより俯瞰的な考察を試みた。対象は,1947~2023年の国会における「教育」を含むすべての発言であった。主な分析内容としては,教育関連の発言全体と英語教育関連の発言との比較,他教科のうち言及の多かった理科教育と英語教育に関する発言の比較であった。結果として,英語教育と教育全般では議論の対象となりやすい校種等が異なること,理科教育と英語教育はとも...

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Published in日本情報ディレクトリ学会誌 Vol. 23; no. 1; pp. 117 - 126
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本情報ディレクトリ学会 31.03.2025
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ISSN1882-9252
2436-5629
DOI10.50987/jsod.23.1_117

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Summary:本研究は,国会会議録の分析をとおして日本の英語教育の政策過程における議論の特徴を明確にすることを試みたものである。先行研究により,国会における英語教育政策のイシューやアクターの特徴について様々な分析が行われているが,本研究では他教科等との比較分析を通じてより俯瞰的な考察を試みた。対象は,1947~2023年の国会における「教育」を含むすべての発言であった。主な分析内容としては,教育関連の発言全体と英語教育関連の発言との比較,他教科のうち言及の多かった理科教育と英語教育に関する発言の比較であった。結果として,英語教育と教育全般では議論の対象となりやすい校種等が異なること,理科教育と英語教育はともに言及が多いが,時期が異なることなどが見出された。社会的要因によって,教科に向けられる政治的関心が移り変わることが示唆され,今日の加熱も相対化して捉えることが重要であると言える。キーワード:英語教育,教育政策,政治家,政策過程,教科間比較
ISSN:1882-9252
2436-5629
DOI:10.50987/jsod.23.1_117