緩和ケアにおけるエキスパートナースの倫理的意思決定過程に関する研究

本研究は、緩和ケアにおけるエキスパートナースの倫理的意思決定過程及びそれに内在する価値を明らかにすることを目的に、質的記述的研究を行った。8名のエキスパートナースを対象に半構成的インタビューを実施した。その結果、「患者のQOLに対する希望と安全の対立」「患者の自己決定や希望と家族の希望の対立」「患者の自己決定の時期をめぐり、医療者の判断が優先される危険性」の3つの倫理的ジレンマに直面していた。エキスパートナースは、患者が覚悟を持って決めたことが置き去りにならないように、患者の自己決定に立ち戻り支援することを意思決定し、4つのアウトカムを設定していた。また、内在する価値は「自立」「無害」「善行」...

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Published in日本看護倫理学会誌 Vol. 3; no. 1; pp. 19 - 27
Main Authors 松山, 明子, 樋口, 京子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護倫理学会 10.02.2011
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ISSN2434-7361
DOI10.32275/jjne.3.1_19

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Summary:本研究は、緩和ケアにおけるエキスパートナースの倫理的意思決定過程及びそれに内在する価値を明らかにすることを目的に、質的記述的研究を行った。8名のエキスパートナースを対象に半構成的インタビューを実施した。その結果、「患者のQOLに対する希望と安全の対立」「患者の自己決定や希望と家族の希望の対立」「患者の自己決定の時期をめぐり、医療者の判断が優先される危険性」の3つの倫理的ジレンマに直面していた。エキスパートナースは、患者が覚悟を持って決めたことが置き去りにならないように、患者の自己決定に立ち戻り支援することを意思決定し、4つのアウトカムを設定していた。また、内在する価値は「自立」「無害」「善行」「誠実」であった。
ISSN:2434-7361
DOI:10.32275/jjne.3.1_19