将来の食料生産に由来するCH4とN2Oの排出量に関する研究

全世界のCH4・N2O排出量のうち農畜産業が占める割合はそれぞれ50%, 60%に達する (2005年時点).本研究では農畜産生産量に関する将来推計モデル及びそれに伴う温室効果ガス推計モデルを開発し, 世界23地域を対象に2000-2030年において人口増加や経済発展に伴う農畜産物の需給を推計し温室効果ガス (GHG) 排出の推進力となる食料生産が今後どのように変化するかを推計した.さらに, 食料生産とそれに由来するGHG排出量の将来値に関して定量的な評価を行った.その結果, 2030年の全世界の食料生産量はアジアや南米を中心に, 人口増加と所得増加, 食生活における肉食へのシフトを反映し高い...

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Published in地球環境シンポジウム講演論文集 Vol. 16; pp. 155 - 164
Main Authors 松岡, 譲, 長谷川, 知子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 土木学会 30.08.2008
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ISSN1884-8419
DOI10.2208/proge.16.155

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Summary:全世界のCH4・N2O排出量のうち農畜産業が占める割合はそれぞれ50%, 60%に達する (2005年時点).本研究では農畜産生産量に関する将来推計モデル及びそれに伴う温室効果ガス推計モデルを開発し, 世界23地域を対象に2000-2030年において人口増加や経済発展に伴う農畜産物の需給を推計し温室効果ガス (GHG) 排出の推進力となる食料生産が今後どのように変化するかを推計した.さらに, 食料生産とそれに由来するGHG排出量の将来値に関して定量的な評価を行った.その結果, 2030年の全世界の食料生産量はアジアや南米を中心に, 人口増加と所得増加, 食生活における肉食へのシフトを反映し高い増加率が示された.また, 農畜産業由来のGHG排出量の増加は肥料投入量の増加と途上国における人口や一人当たりの生産量の増加に強く起因することが示された.
ISSN:1884-8419
DOI:10.2208/proge.16.155