慢性骨髄性自血病55例における細胞遺伝学的研究 急性転化17例を含む

慢性骨髄性白血病にはこの疾患に特異的と考えられるPhiladelphia染色体が存在することが知られているが,Ph1陰性の症例報告や,この疾患以外にもPh1染色体が見出されたという報告があり,この疾患におけるPh1染色体の特異性が問題となりつつある.著者らは急性転化17症例を含む55例の慢性骨髄性白血病患者の骨髄細胞の染色体検査を行なつた.対象全例にPh1染色体を見出し,また,この疾患の初期,慢性期,急性転化期,急性転化緩解期にも高頻度に認められることより,Ph1染色体の存在はこの疾患を大きく特徴づけるものであると考えた.また,Ph1染色体をキナクリン染色法により検討し,この染色体がG群染色体...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 61; no. 7; pp. 800 - 807
Main Authors 佐藤, 素子, 小熊, 信夫, 石井, 征文, 鎌田, 七男, 土本, 泰三, 内野, 治人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.07.1972
Online AccessGet full text
ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.61.800

Cover

More Information
Summary:慢性骨髄性白血病にはこの疾患に特異的と考えられるPhiladelphia染色体が存在することが知られているが,Ph1陰性の症例報告や,この疾患以外にもPh1染色体が見出されたという報告があり,この疾患におけるPh1染色体の特異性が問題となりつつある.著者らは急性転化17症例を含む55例の慢性骨髄性白血病患者の骨髄細胞の染色体検査を行なつた.対象全例にPh1染色体を見出し,また,この疾患の初期,慢性期,急性転化期,急性転化緩解期にも高頻度に認められることより,Ph1染色体の存在はこの疾患を大きく特徴づけるものであると考えた.また,Ph1染色体をキナクリン染色法により検討し,この染色体がG群染色体の22番目ではないかと考えた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.61.800