抗EGFR抗体薬投与中患者への看護指導によるセルフケアへの影響

要 旨 本研究の目的は,抗EGFR抗体薬であるセツキシマブによる化学療法を投与中の患者に看護師によるスキンケア指導を行うことで,皮膚障害の程度,角質水分量,QOL,セルフケア状況にはどのような影響があるのかを明らかにすることである. 対象者は外来化学療法に通院中で抗EGFR抗体薬を使用している大腸がんまたは頭頸部がんの患者10名(通常のケアを提供するグループ4名,スキンケア指導を行うグループ6名).患者選定は疾患,性別が偏らないよう受付順に「通常のケアを提供するグループ」「スキンケア指導を行うグループ」となるように振り分けた.「スキンケア指導を行うグループ」には研究者が作成したスキンケア日誌を...

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Published in日本がん看護学会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 165 - 172
Main Authors 今方 裕子, 牧野 智恵, 北山 幸枝, 我妻 孝則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本がん看護学会 20.11.2020
一般社団法人 日本がん看護学会
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ISSN0914-6423
2189-7565
DOI10.18906/jjscn.34_165_imakata

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Summary:要 旨 本研究の目的は,抗EGFR抗体薬であるセツキシマブによる化学療法を投与中の患者に看護師によるスキンケア指導を行うことで,皮膚障害の程度,角質水分量,QOL,セルフケア状況にはどのような影響があるのかを明らかにすることである. 対象者は外来化学療法に通院中で抗EGFR抗体薬を使用している大腸がんまたは頭頸部がんの患者10名(通常のケアを提供するグループ4名,スキンケア指導を行うグループ6名).患者選定は疾患,性別が偏らないよう受付順に「通常のケアを提供するグループ」「スキンケア指導を行うグループ」となるように振り分けた.「スキンケア指導を行うグループ」には研究者が作成したスキンケア日誌をもとにスキンケア指導を行い,EQ-5D,モイスチャーチェッカー,CTCAEでの評価に加えて,セルフケア行動の特徴と遂行上の思いについて半構成的面接を行った. 結果,角質水分量上昇,ステロイド使用者の皮膚症状(CTCAE)の改善がみられ,面接内容からもセルフケア意欲の向上がみられた.抗EGFR抗体薬投与中患者への看護指導は,角質水分量と皮膚症状の改善,セルフケア意欲の向上に影響していることが示唆された.
Bibliography:原著
ISSN:0914-6423
2189-7565
DOI:10.18906/jjscn.34_165_imakata