足浴,足部マッサージ,足浴後マッサージによるリラクゼーション反応の比較

要旨 研究の目的は,足浴,足部マッサージ,足浴後マッサージ,ケアをしない(コントロール)を行い,これらによるリラクゼーション反応を調べることである.前期高齢者10名(72.0±2.2歳)を対象にして,生理学的指標として心拍数,下肢皮膚温を持続測定し,主観的評価として心地よさの程度をケア前、ケア直後、ケア後120分に測定した.データの分析は,一元配置分散分析,Tukeyの多重比較,Friedman検定を行った. その結果,ケア直後の心拍数において,足部マッサージはコントロールと比較して,有意に減少した(p<0.01).ケア直後の下肢皮膚温において,いずれのケアもコントロールと比較して,有意に上昇...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 22; no. 4; pp. 55 - 63
Main Authors 新田 紀枝, 阿曽 洋子, 川端 京子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 24.12.2002
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans1981.22.4_55

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Summary:要旨 研究の目的は,足浴,足部マッサージ,足浴後マッサージ,ケアをしない(コントロール)を行い,これらによるリラクゼーション反応を調べることである.前期高齢者10名(72.0±2.2歳)を対象にして,生理学的指標として心拍数,下肢皮膚温を持続測定し,主観的評価として心地よさの程度をケア前、ケア直後、ケア後120分に測定した.データの分析は,一元配置分散分析,Tukeyの多重比較,Friedman検定を行った. その結果,ケア直後の心拍数において,足部マッサージはコントロールと比較して,有意に減少した(p<0.01).ケア直後の下肢皮膚温において,いずれのケアもコントロールと比較して,有意に上昇した(足浴:p<0.05;足部マッサージ・足浴後マッサージ:p<0.01).足浴後マッサージはケア後30分まで,コントロールと有意な差が持続した(p<0.05).いずれのケアも心拍数の減少,下肢皮膚温の上昇というリラクゼーション反応が認められた.足浴後マッサージは,他のケアと比較して最も主観的評価が高かった. 足浴,マッサージおよび足浴後マッサージの看護への適用について,各々のケアによるリラクゼーション反応に相違が認められたが,いずれのケアも,心身の安楽,下肢保温,入眠促進のために適用できると考えられた.
Bibliography:研究報告
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.22.4_55