排便障害を生じる直腸がん前方切除術後患者への看護ケアに関する文献的研究

要旨 本研究の目的は,直腸がん前方切除患者の排便障害軽減に効果が期待できる看護援助方法を検討するために,前方切除患者へのケアに関連する研究を分析し考察することである.13件(日本語11件,英語2件)の看護論文と5件の医学論文(日本語2件,英語3件)を分析対象とした.分析の結果,予測不能な排便と便漏れに苦悩し,試行錯誤しながら対処している様相が明らかとなった.少数例ではあるが,骨盤底筋体操により排便回数が減少する効果が示された.またバイオフィードバックは,効果的に骨盤底筋体操を実施する一つの有効な方法であることが示唆された.看護成果として,症状改善だけではなく,適切な排便行為を導く認知や判断を含...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 32; no. 2; pp. 64 - 71
Main Authors 佐藤 正美, 日高 紀久江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 20.06.2012
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.32.2_64

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Summary:要旨 本研究の目的は,直腸がん前方切除患者の排便障害軽減に効果が期待できる看護援助方法を検討するために,前方切除患者へのケアに関連する研究を分析し考察することである.13件(日本語11件,英語2件)の看護論文と5件の医学論文(日本語2件,英語3件)を分析対象とした.分析の結果,予測不能な排便と便漏れに苦悩し,試行錯誤しながら対処している様相が明らかとなった.少数例ではあるが,骨盤底筋体操により排便回数が減少する効果が示された.またバイオフィードバックは,効果的に骨盤底筋体操を実施する一つの有効な方法であることが示唆された.看護成果として,症状改善だけではなく,適切な排便行為を導く認知や判断を含めたコントロール感の獲得も必要な視点である.今後は,バイオフィードバックも含めた効果的な骨盤底筋体操の検討,セルフケアを促進する方法の検討,看護支援の成果を示すアウトカムの検討,看護支援の検証研究を進めることが課題である.
Bibliography:その他
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.32.2_64