促通反復療法と神経筋電気刺激の併用療法により,上肢機能,ADLが改善した中心性頸髄損傷患者の一例
要旨:中心性頸髄損傷の上肢麻痺に対し,標的筋を電気刺激しながら筋収縮を促す,持続的神経筋電気刺激と促通反復療法の併用療法を行った.症例は60歳代男性で,第3-5椎体で脊髄圧迫を認めた.右上肢の手指巧緻性に関して,簡易上肢機能検査8-10の平均所要時間が,14週間の訓練で50.7秒から13.1秒へ,37.6秒短縮した.併用療法終了後は6ヵ月で13.1秒から9.6秒になり,3.5秒の短縮であった.Spinal Cord Independence Measure self-careは,9週間の訓練で9点から19点に,10点改善し,他の治療と同等の改善度を示した.この併用療法は,上肢麻痺やADL改善に...
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| Published in | 作業療法 Vol. 40; no. 2; pp. 253 - 261 |
|---|---|
| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本作業療法士協会
15.04.2021
一般社団法人 日本作業療法士協会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0289-4920 2434-4419 |
| DOI | 10.32178/jotr.40.2_253 |
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| Summary: | 要旨:中心性頸髄損傷の上肢麻痺に対し,標的筋を電気刺激しながら筋収縮を促す,持続的神経筋電気刺激と促通反復療法の併用療法を行った.症例は60歳代男性で,第3-5椎体で脊髄圧迫を認めた.右上肢の手指巧緻性に関して,簡易上肢機能検査8-10の平均所要時間が,14週間の訓練で50.7秒から13.1秒へ,37.6秒短縮した.併用療法終了後は6ヵ月で13.1秒から9.6秒になり,3.5秒の短縮であった.Spinal Cord Independence Measure self-careは,9週間の訓練で9点から19点に,10点改善し,他の治療と同等の改善度を示した.この併用療法は,上肢麻痺やADL改善に有効であることが示唆された. |
|---|---|
| Bibliography: | 実践報告 |
| ISSN: | 0289-4920 2434-4419 |
| DOI: | 10.32178/jotr.40.2_253 |