高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法を使用した作業の提供で心臓リハビリテーションが円滑化した慢性心不全をもつ高齢女性の一事例
要旨：本報告の目的は，高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法（以下，LAES）の実施によって悲嘆感情が変化した要因と，運動の動機づけが向上した要因を検討し，心不全患者に対する作業療法の臨床上の提案をすることである．悲嘆感情が変化した要因は，LAESによって夫との楽しかった思い出のみが活性化し，運動の動機づけの向上は，楽しさを得た花壇管理の内発的動機づけによって自然に身体を動かし，歩行の重要性を認識したからである．よって心不全の作業療法の提案として，心理的問題のある心不全の対象者には，LAESの実施で余暇活動の内発的動機づけを開始し，LAESの楽しさの特徴を活かした余暇活動によって運動の動機づけを向上...
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| Published in | 作業療法 Vol. 40; no. 5; pp. 674 - 682 |
|---|---|
| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本作業療法士協会
15.10.2021
一般社団法人 日本作業療法士協会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0289-4920 2434-4419 |
| DOI | 10.32178/jotr.40.5_674 |
Cover
| Abstract | 要旨：本報告の目的は，高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法（以下，LAES）の実施によって悲嘆感情が変化した要因と，運動の動機づけが向上した要因を検討し，心不全患者に対する作業療法の臨床上の提案をすることである．悲嘆感情が変化した要因は，LAESによって夫との楽しかった思い出のみが活性化し，運動の動機づけの向上は，楽しさを得た花壇管理の内発的動機づけによって自然に身体を動かし，歩行の重要性を認識したからである．よって心不全の作業療法の提案として，心理的問題のある心不全の対象者には，LAESの実施で余暇活動の内発的動機づけを開始し，LAESの楽しさの特徴を活かした余暇活動によって運動の動機づけを向上させることである． |
|---|---|
| AbstractList | 本報告の目的は，高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法（以下，LAES）の実施によって悲嘆感情が変化した要因と，運動の動機づけが向上した要因を検討し，心不全患者に対する作業療法の臨床上の提案をすることである．悲嘆感情が変化した要因は，LAESによって夫との楽しかった思い出のみが活性化し，運動の動機づけの向上は，楽しさを得た花壇管理の内発的動機づけによって自然に身体を動かし，歩行の重要性を認識したからである．よって心不全の作業療法の提案として，心理的問題のある心不全の対象者には，LAESの実施で余暇活動の内発的動機づけを開始し，LAESの楽しさの特徴を活かした余暇活動によって運動の動機づけを向上させることである． 要旨：本報告の目的は，高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法（以下，LAES）の実施によって悲嘆感情が変化した要因と，運動の動機づけが向上した要因を検討し，心不全患者に対する作業療法の臨床上の提案をすることである．悲嘆感情が変化した要因は，LAESによって夫との楽しかった思い出のみが活性化し，運動の動機づけの向上は，楽しさを得た花壇管理の内発的動機づけによって自然に身体を動かし，歩行の重要性を認識したからである．よって心不全の作業療法の提案として，心理的問題のある心不全の対象者には，LAESの実施で余暇活動の内発的動機づけを開始し，LAESの楽しさの特徴を活かした余暇活動によって運動の動機づけを向上させることである． 「要旨」 : 本報告の目的は, 高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法 (以下, LAES) の実施によって悲嘆感情が変化した要因と, 運動の動機づけが向上した要因を検討し, 心不全患者に対する作業療法の臨床上の提案をすることである. 悲嘆感情が変化した要因は, LAESによって夫との楽しかった思い出のみが活性化し, 運動の動機づけの向上は, 楽しさを得た花壇管理の内発的動機づけによって自然に身体を動かし, 歩行の重要性を認識したからである. よって心不全の作業療法の提案として, 心理的問題のある心不全の対象者には, LAESの実施で余暇活動の内発的動機づけを開始し, LAESの楽しさの特徴を活かした余暇活動によって運動の動機づけを向上させることである. |
| Author | 三宮 孝太 本家 寿洋 |
| AuthorAffiliation | 北海道中央労災病院 北海道医療大学大学院リハビリテーション科学研究科 |
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| CorporateAuthor | 北海道中央労災病院 北海道医療大学大学院リハビリテーション科学研究科 |
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| Notes | 実践報告 |
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| References | 17) de las Heras CG，Llerena V，Kielhofner G(山田 孝，石井良和・訳)：再動機づけ過程：意志に重大な問題を持つ人に対する段階的介入の使用者手引き．山田孝・監訳，日本人間作業モデル研究所，2003 11) 青柳翔太，篠原和也，鹿田将隆，野藤弘幸：回復期リハビリテーション病棟における人間作業モデルに基づく介入がもたらした重度認知症者の行動・心理症状の変化．作業療法 39(1)：102-108，2020 19) 速水敏彦：外発と内発の間に位置する達成動機づけ．心理学評論 38(2)：171-193，1995 10) 日谷正希，本家寿洋，山田 孝：「高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法」の実施が，自己効力感の改善と作業選択の支援に役立った事例．作業行動研究 18(3)：152-161，2014 16) 宮前珠子：楽しい馴染みの作業を選ぶことの意味─楽しい作業療法のすすめ─．作業行動研究 21(2)：47-53，2017 13) 都築 学，白井利明：時間的展望研究の動向 4記憶と回想．都築 学，白井利明・編，時間的展望研究ガイドブック，ナカニシヤ出版，2007，pp.84-97 8) Honke T, Yamada T, Ishii Y, Kobayashi N:Reliability and validity of the Japanese Elderly version of Leisure Activity Enjoyment Scale. J Jpn Health Sci 19(3):129-139, 2016. 14) Keilhofner G，Kirsty F(村田和香・訳)：変化を可能にするための治療戦略．Keilhofner G(山田 孝・監訳)，人間作業モデル─理論と応用─改訂第4版，協同医書出版社，2012，pp.204-224 3) 勝木達夫：患者アドヒアランスをいかに高め，維持するか．心臓 44(3)：286-290，2012 18) Ryan RM, Deci EL:Self-determination theory and the facilitation of intrinsic motivation, social development,and well-being. Am Psychol 55(1):66-78, 2000. 2) 後藤葉一：心臓リハビリテーション─エビデンスと展望─．J Cardiol Jpn Ed 3(3)：195-215，2009 5) 井口知也，山田 孝，小林法一：認知症高齢者の絵カード評価法を用いた2事例の報告─認知症高齢者に対するクライアント中心の考え方と作業に焦点を当てた作業療法実践を目指して─．作業行動研究 17(2)：75-87，2013 9) 有田史則，本家寿洋：高齢者版興味チェックリストと高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法の使用により，BPSDやQOLが改善した認知症の事例．作業療法 35(1)：74-82，2016 4) Solano JP, Gomes B, Higginson IJ:A comparison of symptom prevalence in far advanced cancer, AIDS, heart disease, chronic obstructive pulmonary disease and renal disease. J Pain Symptom Manage 31(1):58-69, 2006. 6) 吉政豪也，鹿田将隆，篠原和也，野藤弘幸：意図的関係モデルと人間作業モデルを用いた介入により，認知症の行動・心理症状が軽減した事例．作業療法 39(1)：95-101，2020. 12) 井口知也，小林法一：認知症高齢者の絵カード評価法開発のプロセス．山田孝・監修，認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)使用者手引書 第1刷，日本作業行動学会，2014，pp.17-34 1) 坂田泰彦・下川宏明：世界の潮流から見た日本の心不全診療の実態．循環器専門医 24(1)：49-55，2016 15) 都築 学，白井利明：時間的展望研究の具体的展開 3カウンセリングに応用する．都築 学，白井利明・編，時間的展望研究ガイドブック，ナカニシヤ出版，2007，pp.157-159 7) 山田 孝，篠原和也，小林法一，會田玉美：認知症高齢者に対するプログラム計画のための文献レビュー．作業行動研究 21(1)：8-19，2017. |
| References_xml | – reference: 14) Keilhofner G，Kirsty F(村田和香・訳)：変化を可能にするための治療戦略．Keilhofner G(山田 孝・監訳)，人間作業モデル─理論と応用─改訂第4版，協同医書出版社，2012，pp.204-224． – reference: 15) 都築 学，白井利明：時間的展望研究の具体的展開 3カウンセリングに応用する．都築 学，白井利明・編，時間的展望研究ガイドブック，ナカニシヤ出版，2007，pp.157-159． – reference: 19) 速水敏彦：外発と内発の間に位置する達成動機づけ．心理学評論 38(2)：171-193，1995． – reference: 11) 青柳翔太，篠原和也，鹿田将隆，野藤弘幸：回復期リハビリテーション病棟における人間作業モデルに基づく介入がもたらした重度認知症者の行動・心理症状の変化．作業療法 39(1)：102-108，2020． – reference: 17) de las Heras CG，Llerena V，Kielhofner G(山田 孝，石井良和・訳)：再動機づけ過程：意志に重大な問題を持つ人に対する段階的介入の使用者手引き．山田孝・監訳，日本人間作業モデル研究所，2003． – reference: 2) 後藤葉一：心臓リハビリテーション─エビデンスと展望─．J Cardiol Jpn Ed 3(3)：195-215，2009． – reference: 13) 都築 学，白井利明：時間的展望研究の動向 4記憶と回想．都築 学，白井利明・編，時間的展望研究ガイドブック，ナカニシヤ出版，2007，pp.84-97． – reference: 1) 坂田泰彦・下川宏明：世界の潮流から見た日本の心不全診療の実態．循環器専門医 24(1)：49-55，2016． – reference: 6) 吉政豪也，鹿田将隆，篠原和也，野藤弘幸：意図的関係モデルと人間作業モデルを用いた介入により，認知症の行動・心理症状が軽減した事例．作業療法 39(1)：95-101，2020. – reference: 7) 山田 孝，篠原和也，小林法一，會田玉美：認知症高齢者に対するプログラム計画のための文献レビュー．作業行動研究 21(1)：8-19，2017. – reference: 16) 宮前珠子：楽しい馴染みの作業を選ぶことの意味─楽しい作業療法のすすめ─．作業行動研究 21(2)：47-53，2017． – reference: 12) 井口知也，小林法一：認知症高齢者の絵カード評価法開発のプロセス．山田孝・監修，認知症高齢者の絵カード評価法(APCD)使用者手引書 第1刷，日本作業行動学会，2014，pp.17-34． – reference: 9) 有田史則，本家寿洋：高齢者版興味チェックリストと高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法の使用により，BPSDやQOLが改善した認知症の事例．作業療法 35(1)：74-82，2016． – reference: 8) Honke T, Yamada T, Ishii Y, Kobayashi N:Reliability and validity of the Japanese Elderly version of Leisure Activity Enjoyment Scale. J Jpn Health Sci 19(3):129-139, 2016. – reference: 4) Solano JP, Gomes B, Higginson IJ:A comparison of symptom prevalence in far advanced cancer, AIDS, heart disease, chronic obstructive pulmonary disease and renal disease. J Pain Symptom Manage 31(1):58-69, 2006. – reference: 5) 井口知也，山田 孝，小林法一：認知症高齢者の絵カード評価法を用いた2事例の報告─認知症高齢者に対するクライアント中心の考え方と作業に焦点を当てた作業療法実践を目指して─．作業行動研究 17(2)：75-87，2013． – reference: 3) 勝木達夫：患者アドヒアランスをいかに高め，維持するか．心臓 44(3)：286-290，2012． – reference: 10) 日谷正希，本家寿洋，山田 孝：「高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法」の実施が，自己効力感の改善と作業選択の支援に役立った事例．作業行動研究 18(3)：152-161，2014． – reference: 18) Ryan RM, Deci EL:Self-determination theory and the facilitation of intrinsic motivation, social development,and well-being. Am Psychol 55(1):66-78, 2000. |
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| SourceID | medicalonline jstage igakushoin |
| SourceType | Publisher |
| StartPage | 674 |
| SubjectTerms | Cardiac rehabilitation Cognitive function Heart disease The Japanese elderly version of leisure activity enjoyment scale 心疾患 心臓リハビリテーション 認知機能 高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法 |
| Title | 高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法を使用した作業の提供で心臓リハビリテーションが円滑化した慢性心不全をもつ高齢女性の一事例 |
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| ispartofPNX | 作業療法, 2021/10/15, Vol.40(5), pp.674-682 |
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