ナースコールが頻回なALS患者に関わる看護師の経験:解釈学的現象学的記述

要旨 目的:ナースコールが頻回なALS患者への関わりを肯定的に捉えていた看護師の経験を中心に,コールが頻回なALS患者への関わりが看護師にどのように経験されているかを記述する. 方法:ALS患者に関わる看護師4名に非構造化インタビューを行い,そのデータを,解釈学的現象学的方法を用いて記述,分析した. 結果:頻回にコールするALS患者への看護について,困難を感じる看護師と肯定的に捉える看護師がいた.肯定的に捉える看護師からは,これを病気によるものと捉え,その人はどうしてほしいかと考えること,また,その都度のコールに対して,目先の具体的な要求に応えるだけでなく,同時にその患者の不安や呼びかけに対し...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 614 - 622
Main Authors 長谷川 幹子, 小林 道太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2022
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.42.614

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Summary:要旨 目的:ナースコールが頻回なALS患者への関わりを肯定的に捉えていた看護師の経験を中心に,コールが頻回なALS患者への関わりが看護師にどのように経験されているかを記述する. 方法:ALS患者に関わる看護師4名に非構造化インタビューを行い,そのデータを,解釈学的現象学的方法を用いて記述,分析した. 結果:頻回にコールするALS患者への看護について,困難を感じる看護師と肯定的に捉える看護師がいた.肯定的に捉える看護師からは,これを病気によるものと捉え,その人はどうしてほしいかと考えること,また,その都度のコールに対して,目先の具体的な要求に応えるだけでなく,同時にその患者の不安や呼びかけに対して応答することが可能な場合があることが語られた. 結論:本研究結果は,頻回なコール等により困難と捉えられがちなALS患者に対する看護の可能性について,ひとつの示唆を与えるものであった.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.42.614