病院の規模別からみた臨床看護師の倫理的問題の体験と看護倫理教育への課題

本研究は、臨床看護師の倫理的問題の体験と教育の機会や知識の認知度を病院の規模別に明らかにした。大規模(301床以上)と中小規模(300床以下)病院に就業する看護師230人を対象とし、「ETHICS and HUMAN RIGHTS in NURSING PRACTICE」の日本語版に独自の項目を加えた質問紙で回答を得た。大規模病院が中小規模病院より倫理的問題の体験が多く、「インフォームドコンセントの有無」、「患者の権利と尊厳の尊重」、「どこから死とするか」、「個人的・宗教的価値に反して行動する」、「健康に危険の及ぶ可能性のある患者のケア」が有意に多く体験していた。教育の機会は大規模病院が多く、...

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Published in日本看護倫理学会誌 Vol. 10; no. 1; pp. 26 - 35
Main Authors 長崎 恵美子, 伊東 美佐江
Format Journal Article
Published 日本看護倫理学会 2018
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ISSN1883-244X
2434-7361
DOI10.11477/mf.7001200061

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Summary:本研究は、臨床看護師の倫理的問題の体験と教育の機会や知識の認知度を病院の規模別に明らかにした。大規模(301床以上)と中小規模(300床以下)病院に就業する看護師230人を対象とし、「ETHICS and HUMAN RIGHTS in NURSING PRACTICE」の日本語版に独自の項目を加えた質問紙で回答を得た。大規模病院が中小規模病院より倫理的問題の体験が多く、「インフォームドコンセントの有無」、「患者の権利と尊厳の尊重」、「どこから死とするか」、「個人的・宗教的価値に反して行動する」、「健康に危険の及ぶ可能性のある患者のケア」が有意に多く体験していた。教育の機会は大規模病院が多く、用語の理解の認知度や教育の必要性、倫理の関心度も大規模病院が高かった。教育の機会があると、知識だけでなく関心も高くなり、倫理的問題を捉えやすくなる。倫理的感受性を含めた教育内容の充実が必要と考える。
Bibliography:原著論文
ISSN:1883-244X
2434-7361
DOI:10.11477/mf.7001200061