三層分離抽出を利用した食肉および水産物中の動物用医薬品迅速一斉分析法の検討

著者らは迅速性,簡便性,汎用性を勘案し,含水アセトンを用いて抽出後,n-ヘキサンによる脱脂精製,分析種のアセトニトリルへの分配,塩析効果による精製を同時に行うことが可能となる三層分離抽出を利用した食肉および水産物中の動物用医薬品迅速一斉分析法の検討を行った.酸の濃度を調整すること,EDTA–2Na・2H2Oを添加することにより,キノロン剤の回収率が良好となった.本法は,固相カラムを用いた精製や溶媒の濃縮,転溶操作をせずに試験溶液を調製可能である.妥当性確認の結果,分析種全65成分のうち,牛筋肉62成分,牛脂肪63成分,うなぎ62成分,さけ65成分が妥当性評価ガイドライン(厚生労働省通知)の目標...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 61; no. 3; pp. 95 - 102
Main Authors 髙橋, 邦彦, 大門, 拓実, 立岡, 秀, 濱田, 佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.06.2020
日本食品衛生学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.61.95

Cover

More Information
Summary:著者らは迅速性,簡便性,汎用性を勘案し,含水アセトンを用いて抽出後,n-ヘキサンによる脱脂精製,分析種のアセトニトリルへの分配,塩析効果による精製を同時に行うことが可能となる三層分離抽出を利用した食肉および水産物中の動物用医薬品迅速一斉分析法の検討を行った.酸の濃度を調整すること,EDTA–2Na・2H2Oを添加することにより,キノロン剤の回収率が良好となった.本法は,固相カラムを用いた精製や溶媒の濃縮,転溶操作をせずに試験溶液を調製可能である.妥当性確認の結果,分析種全65成分のうち,牛筋肉62成分,牛脂肪63成分,うなぎ62成分,さけ65成分が妥当性評価ガイドライン(厚生労働省通知)の目標値を満たしたことから,迅速的かつ効果的な動物用医薬品一斉分析法として適用可能であることが考えられる.
Bibliography:ZZ00009680
935003
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.61.95