ダンシル誘導体化反応の改良による食品中の不揮発性アミン類分析法

不揮発性アミン類5種(プトレシン,カダベリン,ヒスタミン,チラミン,スペルミジン)のダンシルクロリド誘導体による一斉分析法を確立した.試料よりアミン類を抽出し,試料溶液3 mLを強カチオン交換カラムに負荷し,水5 mLで洗浄後,1 mol/L炭酸カリウム溶液5 mLで溶出をした.その溶出液中のアミン類を直接ダンシル誘導体化し,トルエンで抽出後,減圧濃縮乾固した残留物をアセトニトリルで溶解した.その溶解液に5%プロリン・1 mol/L炭酸カリウム溶液1 mLを加えて振とうし,分離したアセトニトリル層(上層)をろ過し,HPLCで測定した.本法の定量下限は,プトレシンおよびカダベリンが0.2 μg/...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 58; no. 3; pp. 149 - 154
Main Authors 井部, 明広, 半田, 彩実, 川鍋, ひとみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.06.2017
日本食品衛生学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.58.149

Cover

More Information
Summary:不揮発性アミン類5種(プトレシン,カダベリン,ヒスタミン,チラミン,スペルミジン)のダンシルクロリド誘導体による一斉分析法を確立した.試料よりアミン類を抽出し,試料溶液3 mLを強カチオン交換カラムに負荷し,水5 mLで洗浄後,1 mol/L炭酸カリウム溶液5 mLで溶出をした.その溶出液中のアミン類を直接ダンシル誘導体化し,トルエンで抽出後,減圧濃縮乾固した残留物をアセトニトリルで溶解した.その溶解液に5%プロリン・1 mol/L炭酸カリウム溶液1 mLを加えて振とうし,分離したアセトニトリル層(上層)をろ過し,HPLCで測定した.本法の定量下限は,プトレシンおよびカダベリンが0.2 μg/g,スペルミジンが0.8 μg/g,チラミンが2.0 μg/g,ヒスタミンが5.0 μg/gであった.9食品における平均回収率は5種すべて80%以上であり,本法は各種の食品に適用が可能であると考える.
Bibliography:ZZ00009680
912021
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.58.149