LC-MS/MSによる畜水産食品中抗真菌薬の一斉分析法

畜水産食品中の抗真菌薬15剤,抗寄生虫薬2剤およびその他の動物用医薬品3剤のLC-MS/MSによる高感度な一斉分析法を開発した.薬剤の分解を抑制するため,対象食品に50%エタノールを加えてホモジナイズをした調製試料から,アセトニトリルを用いて薬剤を抽出した.抽出液をアルミナNカラムに通液して精製し,得られた試験溶液を全多孔性オクタデシルシリル化シリカゲルカラムで分離しMS/MS測定を行った.これらにより,食品由来成分の影響を受けやすく分析が困難とされる魚介類にも適用可能となった.畜水産物8食品において妥当性評価を実施した結果,選択性は十分で,真度70.2~109.3%,併行精度18.0%以下,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 60; no. 3; pp. 52 - 60
Main Authors 神田, 真軌, 笹本, 剛生, 永野, 智恵子, 大場, 由実, 大塚, 健治, 小池, 裕, 林, 洋, 関村, 光太郎, 橋本, 常生, 松島, 陽子, 中川, 由紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.06.2019
日本食品衛生学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.60.52

Cover

More Information
Summary:畜水産食品中の抗真菌薬15剤,抗寄生虫薬2剤およびその他の動物用医薬品3剤のLC-MS/MSによる高感度な一斉分析法を開発した.薬剤の分解を抑制するため,対象食品に50%エタノールを加えてホモジナイズをした調製試料から,アセトニトリルを用いて薬剤を抽出した.抽出液をアルミナNカラムに通液して精製し,得られた試験溶液を全多孔性オクタデシルシリル化シリカゲルカラムで分離しMS/MS測定を行った.これらにより,食品由来成分の影響を受けやすく分析が困難とされる魚介類にも適用可能となった.畜水産物8食品において妥当性評価を実施した結果,選択性は十分で,真度70.2~109.3%,併行精度18.0%以下,室内精度18.7%以下となり,ガイドラインの基準に適合した.定量下限値は,3 ng/gに設定可能と考えられた.
Bibliography:928006
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.60.52