ポリコサノール摂取による血中アルデヒド濃度への影響に関する探索研究

ポリコサノールは, 米糠, サトウキビ, 小麦などの植物ワックスをけん化分解して得られる炭素数20以上の高級脂肪族アルコールの組成物である。ポリコサノールは, 血清脂質の低減作用や肝機能改善作用が数多く報告されており, 海外では医薬品としても使用されている。今回われわれは, 健康な成人男性8名に対して, 1日あたり40 mgのポリコサノールを6週間にわたり摂取した結果, 摂取開始前に比べて有意差をもって飲酒時 (アルコール1単位, エタノール量で約25 g) の血中アセトアルデヒド濃度を低減させることを確認した。具体的には飲酒180分後の血中アセトアルデヒド濃度が摂取前では平均13.0 μmo...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 62; no. 6; pp. 305 - 309
Main Authors 大久保, 剛, 日比野, 英彦, 伊東, 利博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 2009
日本栄養・食糧学会
Subjects
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ISSN0287-3516
1883-2849
DOI10.4327/jsnfs.62.305

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Summary:ポリコサノールは, 米糠, サトウキビ, 小麦などの植物ワックスをけん化分解して得られる炭素数20以上の高級脂肪族アルコールの組成物である。ポリコサノールは, 血清脂質の低減作用や肝機能改善作用が数多く報告されており, 海外では医薬品としても使用されている。今回われわれは, 健康な成人男性8名に対して, 1日あたり40 mgのポリコサノールを6週間にわたり摂取した結果, 摂取開始前に比べて有意差をもって飲酒時 (アルコール1単位, エタノール量で約25 g) の血中アセトアルデヒド濃度を低減させることを確認した。具体的には飲酒180分後の血中アセトアルデヒド濃度が摂取前では平均13.0 μmol/Lだったのが, 摂取後には被験者全員が検出限界 (5 μmol/L) 以下になった。このことは, アセトアルデヒドによりもたらされる二日酔い防止効果などが期待される。
Bibliography:782555
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.62.305