農薬残留基準の設定と Total Diet Study による化学物質摂取量調査

はじめに 各種の食品汚染物質に対して食品の安全を保証するために, 国が行うべきことは, 規制基準を設けて, 基準への適否を検査あるいはモニタリングすること, 実際の食品を経由した摂取量を調査し, 一日摂取許容量(acceptable daily intake:ADI)または暫定一週間耐容摂取量(provisional tolerable weekly intake:PTWI)等と比較してリスク評価を行うこと, その結果リスクが予測されれば行政的に対処することである. 1.残留農薬基準 食品衛生法における農作物の残留農薬基準は, 同法第7条に基づく食品, 添加物等の規格基準の中で「穀類, 豆類,...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 27; no. 4; pp. 410 - 414
Main Author 佐々木, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 2002
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ISSN1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI10.1584/jpestics.27.410

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Summary:はじめに 各種の食品汚染物質に対して食品の安全を保証するために, 国が行うべきことは, 規制基準を設けて, 基準への適否を検査あるいはモニタリングすること, 実際の食品を経由した摂取量を調査し, 一日摂取許容量(acceptable daily intake:ADI)または暫定一週間耐容摂取量(provisional tolerable weekly intake:PTWI)等と比較してリスク評価を行うこと, その結果リスクが予測されれば行政的に対処することである. 1.残留農薬基準 食品衛生法における農作物の残留農薬基準は, 同法第7条に基づく食品, 添加物等の規格基準の中で「穀類, 豆類, 果実, 野菜, 種実類, 茶及びホップ」に関する各条の項に, 成分規格として, Cd, シアン, 細菌数等とともに規定されている. ここでは, 約130種の農作物に対して平成14年4月現在229農薬の基準値が定められ, これらについて検査するための試験法がそれぞれ設定されている. 更に, 「小麦粉」に関する各条の項には, ポストハーベスト使用される可能性があるフェニトロチオン及びマラチオン, 全ての作物で「不検出」と定められている2, 4, 5-T, アミトロール, カプタホール, シヘキサチン及びダミノジッドの基準値が定められている.
Bibliography:661464
ZZ00015061
ISSN:1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.27.410