o-ジクロロベンゼンを用いたヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーによるスチレン系ポリマー中の揮発性物質の分析法

テトラヒドロフラン(THF)およびジメチルホルムアミドに不溶のスチレン系ポリマー中のスチレンなどの揮発性物質8成分の定量分析法を開発した.細切した試料0.1 gをヘッドスペース(HS)バイアルに採り,内標準物質50 μg/mLを含むo-ジクロロベンゼン(DCB)2 mLを加えて密栓した.オートサンプラーを用い,140℃で1時間加熱後,HSガス1 mLをGCに注入した.シンジオタクチック・ポリスチレン,スチレンブロックコポリマーおよび変性ポリフェニレンエーテルの試料はDCBに溶解または分散した.各測定対象物質に対する分離,定量性はいずれも良好であった.添加回収率は300 μg/gの添加で95~1...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 54; no. 5; pp. 374 - 378
Main Authors 野村, 孝一, 三宅, 大輔, 早川, 賢治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2013
日本食品衛生学会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.54.374

Cover

More Information
Summary:テトラヒドロフラン(THF)およびジメチルホルムアミドに不溶のスチレン系ポリマー中のスチレンなどの揮発性物質8成分の定量分析法を開発した.細切した試料0.1 gをヘッドスペース(HS)バイアルに採り,内標準物質50 μg/mLを含むo-ジクロロベンゼン(DCB)2 mLを加えて密栓した.オートサンプラーを用い,140℃で1時間加熱後,HSガス1 mLをGCに注入した.シンジオタクチック・ポリスチレン,スチレンブロックコポリマーおよび変性ポリフェニレンエーテルの試料はDCBに溶解または分散した.各測定対象物質に対する分離,定量性はいずれも良好であった.添加回収率は300 μg/gの添加で95~113%であった.また,本法はTHFに溶解する一般のスチレン系ポリマーにも適用可能であった.一般用ポリスチレン,耐衝撃性ポリスチレン,アクリロニトリル/スチレン樹脂,アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂のいずれの試料においても,食品,添加物等の規格基準の試験法と同等の定量値が得られた.
Bibliography:ZZ00009680
870352
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.54.374