温室におけるマルハナバチ逃亡防止のためのネット展張技術

温室施設開口部(窓、出入り口)にセイヨウマルハナバチ逃亡防止用ネットをいくつかの方法で展張し、その効果の検証を行うとともに、不十分な場合はその対策を提示した。ガラス温室とシクスライト温室の窓の場合には、どの方法でも、ネット展張および窓周辺にできる隙間をスポンジ、テープ、充填材で塞ぐことによって、完全に逃亡防止ができた。パイプビニルハウスの窓にネット展張する場合は、パイプの上にネット、ビニルの順で張り、ネットをパイプの外側に留めることによって逃亡防止ができた。しかし、ネットをパイプの内側に張り、内側で留めた時は逃亡防止ができなかった。出入り口については、ネットの重ね合わせ方式で展張した時は、前室...

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Published inNihon Ōyō Dōbutsu Konchū Gakkai shi Vol. 52; no. 1; pp. 19 - 26
Main Authors 山田, 佳廣, 矢部, 和則, 山下, 文秋, 小出, 哲哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本応用動物昆虫学会 2008
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ISSN0021-4914
1347-6068
DOI10.1303/jjaez.2008.19

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Summary:温室施設開口部(窓、出入り口)にセイヨウマルハナバチ逃亡防止用ネットをいくつかの方法で展張し、その効果の検証を行うとともに、不十分な場合はその対策を提示した。ガラス温室とシクスライト温室の窓の場合には、どの方法でも、ネット展張および窓周辺にできる隙間をスポンジ、テープ、充填材で塞ぐことによって、完全に逃亡防止ができた。パイプビニルハウスの窓にネット展張する場合は、パイプの上にネット、ビニルの順で張り、ネットをパイプの外側に留めることによって逃亡防止ができた。しかし、ネットをパイプの内側に張り、内側で留めた時は逃亡防止ができなかった。出入り口については、ネットの重ね合わせ方式で展張した時は、前室を付けても防止効果は完全ではなかった。一方、出入り口をチャックのついたネットで展張した場合、完全に逃亡を防ぐことができた。また、換気扇からの逃亡が、作動、非作動時に拘らず起こったため、換気扇にもネット展張が必要であった。一方、吸気口からの逃亡はなかった。これらのことから、施設開口部にネット展張を行うことによりマルハナバチの逃亡防止が可能であることが分かったが、そのためには、きめ細かい点検が必要であることが示された。
Bibliography:752187
ZZ00014825
ISSN:0021-4914
1347-6068
DOI:10.1303/jjaez.2008.19