我が国における農薬散布機について

「はじめに」農作物の病害虫防除を行ううえで, 農薬は欠かせない資材であるが, 多少なりとも化学的成分を含む資材であることから, 散布されるほ場とその周辺に対しては, 環境負荷を最小限に止めることが求められている. さらに, 近年では, 散布対象ほ場以外の場所への農薬の飛散(すなわち, ドリフト)についても極力防止することが課題となっている. これは, 平成18(2006)年から実施されている農薬残留基準に関するポジティブリスト制の下では, 農薬散布時のドリフト低減のための何らかの対策がとられない場合は, 散布対象ほ場に近接して栽培される別の農作物に対して, ドリフトによる農薬の付着が生じ, 結...

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Published inNihon Nōyaku Gakkai shi (2013) Vol. 38; no. 2; pp. 218 - 223
Main Author 宮原, 佳彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 20.08.2013
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ISSN2187-0365
2187-8692
DOI10.1584/jpestics.W13-17

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Summary:「はじめに」農作物の病害虫防除を行ううえで, 農薬は欠かせない資材であるが, 多少なりとも化学的成分を含む資材であることから, 散布されるほ場とその周辺に対しては, 環境負荷を最小限に止めることが求められている. さらに, 近年では, 散布対象ほ場以外の場所への農薬の飛散(すなわち, ドリフト)についても極力防止することが課題となっている. これは, 平成18(2006)年から実施されている農薬残留基準に関するポジティブリスト制の下では, 農薬散布時のドリフト低減のための何らかの対策がとられない場合は, 散布対象ほ場に近接して栽培される別の農作物に対して, ドリフトによる農薬の付着が生じ, 結果として, その作物に設定された残留基準の超過が発生するリスクが高くなることなどが背景にある. このため, 農薬を適正に使用し, 防除効果の維持・向上に努めることなどに加えて, 散布作業におけるドリフトの防止, 抑制あるいはその低減のための対策が不可欠となっている.
Bibliography:853349
ZZ20502360
ISSN:2187-0365
2187-8692
DOI:10.1584/jpestics.W13-17