エタノールの筋弛緩作用に及ぼすセサミンの影響

適量の「酒」は古来より百薬の長といわれ, ストレスを解消し, 食欲を増進し, 抑うつ状態を軽減し, また就眠をうながすことなどさまざまな効果が知られている. さらに近年, その一つとして冠動脈効果を抑制するHDL-コレステロール(high density lipoprotein-cholesterol)が適量のエタノール摂取により増加することが実験的に明らかとなり, その成人病予防効果が注目されている1)~4). このようにヒトに及ぼすエタノールの作用はさまざまな面から評価されているが, その機序については十分解明されていない. なかでも, エタノールの筋弛緩作用の機序については未だ不明な点が...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 48; no. 2; pp. 103 - 108
Main Authors 浅見, 純生, 楊, 志博, 平井, 孝一, 諏訪, 芳秀, 田中, 隆治, 豊田, 佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 1995
日本栄養・食糧学会
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ISSN0287-3516
1883-2849
DOI10.4327/jsnfs.48.103

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Summary:適量の「酒」は古来より百薬の長といわれ, ストレスを解消し, 食欲を増進し, 抑うつ状態を軽減し, また就眠をうながすことなどさまざまな効果が知られている. さらに近年, その一つとして冠動脈効果を抑制するHDL-コレステロール(high density lipoprotein-cholesterol)が適量のエタノール摂取により増加することが実験的に明らかとなり, その成人病予防効果が注目されている1)~4). このようにヒトに及ぼすエタノールの作用はさまざまな面から評価されているが, その機序については十分解明されていない. なかでも, エタノールの筋弛緩作用の機序については未だ不明な点が多い. 従来, エタノールの筋弛緩作用は急性アルコール性ミオパチー(myopathy)によるものと指摘されている5)6)が, これに加えエタノールによる中枢神経抑制作用を介した運動障害による可能性も考えられる. 一方, セサミン7)~9)はゴマに含有されるリグナンで, これまでの研究によりエタノール代謝促進, エタノール性肝障害軽減および二日酔予防などの効果をもたらすことが報告されている10). 今回, われわれはマウスの懸垂試験11)を用いて, エタノール性筋弛緩作用を調べると同時にセサミンの本作用に及ぼす影響も検討した.
Bibliography:520243
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.48.103