水田排水に含まれる懸濁物質の粒度分布の経時変化に関する考察

宇都宮市の2地区の水田において, 灌漑期を通した用排水の水質調査を実施し, 懸濁物質およびその粒度分布の経時変化に関して, 次のことを明らかにした.用水に含まれる懸濁物質の粒度分布は灌漑期を通してあまり変化しない.その一方, 排水に含まれる懸濁物質の粒度分布は時間の経過とともに粒径の大きい側に遷移する傾向がある.代かきや田植えによる土壌攪乱により懸濁物質濃度が上昇するときには多くの細粒分が流出している.また, 無降雨時に用水中に含まれない細粒画分の懸濁物質が排出されている.さらに, 代かき田植え期とそれ以降の時期では濁水中に含まれる懸濁物質の粒度分布が異なるため, 同一の濁度-懸濁物質濃度式の...

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Published inNōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū Vol. 85; no. 2; pp. II_113 - II_119
Main Authors 大澤, 和敏, 須永, 吉昭, 松井, 宏之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 農業農村工学会 2017
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ISSN1882-2789
1884-7242
DOI10.11408/jsidre.85.II_113

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Summary:宇都宮市の2地区の水田において, 灌漑期を通した用排水の水質調査を実施し, 懸濁物質およびその粒度分布の経時変化に関して, 次のことを明らかにした.用水に含まれる懸濁物質の粒度分布は灌漑期を通してあまり変化しない.その一方, 排水に含まれる懸濁物質の粒度分布は時間の経過とともに粒径の大きい側に遷移する傾向がある.代かきや田植えによる土壌攪乱により懸濁物質濃度が上昇するときには多くの細粒分が流出している.また, 無降雨時に用水中に含まれない細粒画分の懸濁物質が排出されている.さらに, 代かき田植え期とそれ以降の時期では濁水中に含まれる懸濁物質の粒度分布が異なるため, 同一の濁度-懸濁物質濃度式の適用は大きな推定誤差を生じさせる可能性が高い.
Bibliography:ZZ20032779
932306
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.85.II_113