イネ科作物の耐湿性研究の現状と今後の展開方向

コムギ,オオムギおよびトウモロコシなどのイネ科畑作物について,耐湿性の品種間差異,その遺伝性,そして通気組織などの耐湿性関連形質に関する研究の状況を取りまとめる.また,今後に期待される耐湿性研究の新しい方向について触れたい.イネ科畑作物の耐湿性は種間では異なることが知られているが,品種間・系統間差異は不明瞭で,いずれの作物においても実用的な耐湿性品種の開発には至っていない.最近,近縁種・野生種において耐湿性の改良に利用できる遺伝資源が見つかってきており,それらが持つ根の通気組織や浅根性などの耐湿性に関連する遺伝子をマーカー選抜によって栽培種に導入することで画期的な耐湿性作物を作出することも現実...

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Bibliographic Details
Published inJapanese journal of crop science Vol. 78; no. 4; pp. 441 - 448
Main Authors 小柳, 敦史, 間野, 吉郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作物学会 2009
Subjects
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ISSN0011-1848
1349-0990
DOI10.1626/jcs.78.441

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Summary:コムギ,オオムギおよびトウモロコシなどのイネ科畑作物について,耐湿性の品種間差異,その遺伝性,そして通気組織などの耐湿性関連形質に関する研究の状況を取りまとめる.また,今後に期待される耐湿性研究の新しい方向について触れたい.イネ科畑作物の耐湿性は種間では異なることが知られているが,品種間・系統間差異は不明瞭で,いずれの作物においても実用的な耐湿性品種の開発には至っていない.最近,近縁種・野生種において耐湿性の改良に利用できる遺伝資源が見つかってきており,それらが持つ根の通気組織や浅根性などの耐湿性に関連する遺伝子をマーカー選抜によって栽培種に導入することで画期的な耐湿性作物を作出することも現実的な目標となってきた.
Bibliography:781112
ZZ00014890
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.78.441