ペレニアルライグラスのクロロゲン酸含量を推定する波長選択型PLSR法を用いた近赤外分光分析

ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)は、放牧や採草として利用される優れた寒地型イネ科牧草である。ペレニアルライグラスは機能性成分としてクロロゲン酸を豊富に含んでいる。今後、クロロゲン酸の成分に着目した育種が始まる可能性があり、クロロゲン酸を簡易・迅速に測定する方法の開発が求められている。本試験では、近赤外分光分析を用いてペレニアルライグラスのクロロゲン酸含量の検量線を、全ての波長情報を使用する通常の部分最小二乗法(PLSR法)に加え、対象成分の推定に寄与してない波長情報を除去もしくは有益な波長情報を選択する波長選択型PLSR法としてiterative stepwise e...

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Published inJournal of the Japanese Agricultural Systems Society Vol. 35; no. 3; pp. 53 - 58
Main Authors 江口, 研太郎, 川村, 健介, 木村, 俊之, 清, 多佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published システム農学会 29.11.2019
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ISSN0913-7548
2189-0560
DOI10.14962/jass.35.3_53

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Summary:ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)は、放牧や採草として利用される優れた寒地型イネ科牧草である。ペレニアルライグラスは機能性成分としてクロロゲン酸を豊富に含んでいる。今後、クロロゲン酸の成分に着目した育種が始まる可能性があり、クロロゲン酸を簡易・迅速に測定する方法の開発が求められている。本試験では、近赤外分光分析を用いてペレニアルライグラスのクロロゲン酸含量の検量線を、全ての波長情報を使用する通常の部分最小二乗法(PLSR法)に加え、対象成分の推定に寄与してない波長情報を除去もしくは有益な波長情報を選択する波長選択型PLSR法としてiterative stepwise elimination PLSR(ISE-PLSR)法とgenetic algorithm PLSR(GA-PLSR)法を用い、クロスバリデーション(交差確認)の決定係数(R²)と残渣予測偏差(RPD)により、推定精度を比較した。2次微分吸光度(SDA)スペクトルを用いたISE-PLSR法ではR²が0.872、RPDが2.782であり、他の手法(R²=0.803 - 0.847,RPD=2.309 - 2.533)よりも精度が高かった。RPD>2.43であることからSDAスペクトルを使用したISE-PLSRモデルは、実用的な精度で推定可能と判断された。
Bibliography:ZZ00011894
931101
ISSN:0913-7548
2189-0560
DOI:10.14962/jass.35.3_53