京都府の早生丹波黒大豆系エダマメ商品『京 夏ずきん』における外観品質と食味成分からみた収穫適期の解明

京都府の新たなエダマメ商品『京 夏ずきん』として生産される丹波黒大豆系の早生エダマメ品種「夏どり丹波黒1号」と「夏どり丹波黒2号」の収穫適期を解明するために,莢の肥大や外観の変化を経時的に調査するとともに,子実の発達と食味成分の変化を調査した.供試した両品種について株内の莢厚平均値の経過をみると,高温年の2010年では莢厚が約11 mmとなった開花後51~52日頃に,ほぼ平年気温並みの2011年では約12 mmとなった開花後56~57日頃に,肥大停止点が存在した.出荷規格の一つである莢厚10 mmより薄い莢が全体の30%未満となった時期を収穫期の早限とすると,両品種とも開花期からの平均気温積算...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese journal of crop science Vol. 87; no. 1; pp. 12 - 20
Main Authors 上野, 義栄, 杉本, 充, 植村, 亮太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作物学会 01.01.2018
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0011-1848
1349-0990
DOI10.1626/jcs.87.12

Cover

More Information
Summary:京都府の新たなエダマメ商品『京 夏ずきん』として生産される丹波黒大豆系の早生エダマメ品種「夏どり丹波黒1号」と「夏どり丹波黒2号」の収穫適期を解明するために,莢の肥大や外観の変化を経時的に調査するとともに,子実の発達と食味成分の変化を調査した.供試した両品種について株内の莢厚平均値の経過をみると,高温年の2010年では莢厚が約11 mmとなった開花後51~52日頃に,ほぼ平年気温並みの2011年では約12 mmとなった開花後56~57日頃に,肥大停止点が存在した.出荷規格の一つである莢厚10 mmより薄い莢が全体の30%未満となった時期を収穫期の早限とすると,両品種とも開花期からの平均気温積算値が1400℃を超えた直後となる.また,両品種ともに収穫適期と考えられた期間中に,黒大豆の特性である子実種皮の着色が進行したが,子実における遊離糖や遊離アミノ酸の含有率は,子実のへそ全体がピンク色を呈する時期までが最も多い傾向にあった.この時期の子実を内包する莢は,厚さが10~11 mm程度と出荷規格をやや上回る程度であるため,食味からみた収穫適期は,莢の外観から検討した収穫期間の早い時期に存在するものと考えられた.
Bibliography:920758
ZZ00014890
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.87.12