はだか麦品種「キラリモチ」の後期重点型窒素施肥体系における分げつ出現の動向と分げつ肥増施がこれに及ぼす影響

オオムギ品種「キラリモチ」は,後期重点型追肥区(窒素成分で元肥:4 g m–2,分げつ肥:2 g m–2,穂肥:6 g m–2,開花期追肥:6 g m–2,4-2-6-6)で窒素を穂肥期や開花期に追肥することで,対照区(4-2-0-0)に比べて穂数が増加して収量が増加するものの,収穫期でも未成熟の分げつが多くみられる.穂肥を施用せずに分げつ肥を増施する分げつ肥増施区(4-8-0-6)を設定することで,早くに有効分げつ数を確保して,これよりも遅く発生する分げつの発生を少なくしようと試みた.さらにこれら分げつがどのように有効化・無効化していくのかについて,茎数・穂数を定点観察することで調査した.分...

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Published inJapanese journal of crop science Vol. 90; no. 4; pp. 423 - 429
Main Authors 高橋, 肇, 稲葉, 俊二, 内田, 多江子, 杉田, 知彦, 水田, 圭祐, 吉岡, 藤治, 高橋, 飛鳥, 荒木, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作物学会 05.10.2021
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ISSN0011-1848
1349-0990
DOI10.1626/jcs.90.423

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Summary:オオムギ品種「キラリモチ」は,後期重点型追肥区(窒素成分で元肥:4 g m–2,分げつ肥:2 g m–2,穂肥:6 g m–2,開花期追肥:6 g m–2,4-2-6-6)で窒素を穂肥期や開花期に追肥することで,対照区(4-2-0-0)に比べて穂数が増加して収量が増加するものの,収穫期でも未成熟の分げつが多くみられる.穂肥を施用せずに分げつ肥を増施する分げつ肥増施区(4-8-0-6)を設定することで,早くに有効分げつ数を確保して,これよりも遅く発生する分げつの発生を少なくしようと試みた.さらにこれら分げつがどのように有効化・無効化していくのかについて,茎数・穂数を定点観察することで調査した.分げつ肥増施区(4-8-0-6)は,収量,収量構成要素ならびに全重とも後期重点型追肥区(4-2-6-6)とほぼ同じであった.茎数は,後期重点型施肥区(4-2-6-6),分げつ肥増施区(4-8-0-6)とも開花期まで同様に推移し,分げつ肥を増施しても大きく増加することはなかった.開花期以降,さらに茎数が増加し,穂数も成熟期までに倍増した.分げつ肥増施区(4-8-0-6)では開花期後2週目以降にとくに遅れて出穂する分げつがみられた.有効茎の稈長は600 mmを境に大きく2分され,後期重点型施肥区(4-2-6-6)と分げつ肥増施区(4-8-0-6)には稈長600 mm未満のものが対照区(4-2-0-0)に比べて多かった.
Bibliography:940320
ZZ00014890
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.90.423