ストレプトゾトシンの単回投与により正常血糖値を長期間維持できたインスリノーマの犬の1例

運動不耐を主訴としたゴールデン・レトリバー, 10歳齢, 雌に対し各種検査を行ったところインスリノーマが疑われた.確定診断のため試験的開腹を行い, 膵臓左葉に結節様の腫瘤が認められたため, 外科的切除を行った.病理組織学的検査からインスリノーマと診断された.手術後は無治療で良好に推移したが, 約1カ月経過したところでふたたび低血糖が認められた.プレドニゾロンを中心とした治療を行い, 約2カ月間は血糖値のコントロールが可能であったが, その後不可能となった.そこで, ストレプトゾトシンを投与したところ血糖値は正常に回復した.最終的にインスリノーマの治療中に発症した血管肉腫で死亡するまでの約6カ月...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 60; no. 12; pp. 867 - 871
Main Authors 坂井, 厚子, 湯木, 正史, 高橋, 多樹, 鈴木, 清美, 加藤, 万由子, 阪口, 岳志, 棚橋, 咲子, 平野, 貴史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.12.2007
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma1951.60.867

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Summary:運動不耐を主訴としたゴールデン・レトリバー, 10歳齢, 雌に対し各種検査を行ったところインスリノーマが疑われた.確定診断のため試験的開腹を行い, 膵臓左葉に結節様の腫瘤が認められたため, 外科的切除を行った.病理組織学的検査からインスリノーマと診断された.手術後は無治療で良好に推移したが, 約1カ月経過したところでふたたび低血糖が認められた.プレドニゾロンを中心とした治療を行い, 約2カ月間は血糖値のコントロールが可能であったが, その後不可能となった.そこで, ストレプトゾトシンを投与したところ血糖値は正常に回復した.最終的にインスリノーマの治療中に発症した血管肉腫で死亡するまでの約6カ月間, ストレプトゾトシンの追加投与を必要とせず, 血糖値は正常値を維持した.
Bibliography:ZZ00014801
752949
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.60.867