1農場の肉用出荷鶏に散発したアスペルギルス症の30例

1農場由来の60~65日齢の肉用出荷鶏約108万羽中55羽をアスペルギルス症と診断し,罹患鶏30羽を病理学的に検索した.病巣分布により23例が肺型,6例が皮膚型及び1例が全身型に分類された.肉眼的に,肺型では硬度を増した淡黄色結節が13例の肺及び全例の気囊に形成され,腹気囊が頻繁に罹患していた.同結節は皮膚型の翼及び大腿の両羽域と同周辺に好発し,全身型の肺,気囊,肝臓,腎臓及び心臓に存在した.組織学的に,結節はアスペルギルス属の形態学的特徴を有する菌糸を伴う多数の肉芽腫の癒合により構成されていた.皮膚型の結節は羽包を中心に形成されていた.全身型の肺の小動脈壁の内膜に菌糸を伴う肉芽腫が形成され,...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 74; no. 1; pp. 67 - 71
Main Authors 菊地, 薫, 三浦, 潔, 清宮, 幸男, 安保, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.01.2021
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.74.67

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Summary:1農場由来の60~65日齢の肉用出荷鶏約108万羽中55羽をアスペルギルス症と診断し,罹患鶏30羽を病理学的に検索した.病巣分布により23例が肺型,6例が皮膚型及び1例が全身型に分類された.肉眼的に,肺型では硬度を増した淡黄色結節が13例の肺及び全例の気囊に形成され,腹気囊が頻繁に罹患していた.同結節は皮膚型の翼及び大腿の両羽域と同周辺に好発し,全身型の肺,気囊,肝臓,腎臓及び心臓に存在した.組織学的に,結節はアスペルギルス属の形態学的特徴を有する菌糸を伴う多数の肉芽腫の癒合により構成されていた.皮膚型の結節は羽包を中心に形成されていた.全身型の肺の小動脈壁の内膜に菌糸を伴う肉芽腫が形成され,真菌の血行性播種が示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
936776
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.74.67