上皮小体機能亢進症がみられた猫の上皮小体癌の1 例

4年前より右側頸部皮下に腫瘤が触知された17歳の去勢雄,雑種猫が上皮小体機能亢進症と診断された. 外科手術時,偶発的に左側頸部にも腫瘤が認められ,右側頸部腫瘤とともに摘出された. 肉眼的に左側腫瘤は充実性白色を呈しており,右側腫瘤は無色透明の漿液を容れた囊胞状を示し,囊胞の中心部に乳白色を呈する充実性腫瘤が認められた. 病理組織学的に左側腫瘤は豊富な好酸性細胞質を持つ腫瘍細胞の充実性増殖を主体としており,周囲の甲状腺や被膜への浸潤像が認められたことから上皮小体癌と診断された. 右側囊胞状腫瘤は周囲組織への浸潤像が認められなかったことから上皮小体腺腫と診断された....

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 63; no. 1; pp. 56 - 59
Main Authors 岡田, 幸助, 福岡, 寛之, 佐々木, 淳, 御領, 政信, 宍戸, 智
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.01.2010
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.63.56

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Summary:4年前より右側頸部皮下に腫瘤が触知された17歳の去勢雄,雑種猫が上皮小体機能亢進症と診断された. 外科手術時,偶発的に左側頸部にも腫瘤が認められ,右側頸部腫瘤とともに摘出された. 肉眼的に左側腫瘤は充実性白色を呈しており,右側腫瘤は無色透明の漿液を容れた囊胞状を示し,囊胞の中心部に乳白色を呈する充実性腫瘤が認められた. 病理組織学的に左側腫瘤は豊富な好酸性細胞質を持つ腫瘍細胞の充実性増殖を主体としており,周囲の甲状腺や被膜への浸潤像が認められたことから上皮小体癌と診断された. 右側囊胞状腫瘤は周囲組織への浸潤像が認められなかったことから上皮小体腺腫と診断された.
Bibliography:ZZ00014801
791088
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.63.56