犬の先天性門脈大静脈短絡2例
血尿が主訴である50日齢の雌の柴犬と, 神経症状が主訴である4カ月齢の雌のミニダックスフントで, 先天性門脈大静脈短絡が診断された. 特徴的な臨床検査所見は高アンモニア血症, 低蛋白血症およびBSP試験の延長であった. また, ミニダックスフントの脳症発症時の血漿中側鎖アミノ酸の芳香性アミノ酸に対する割合は1. 02であった. 単純X線検査では, 両者ともに小肝症および軽度の腎腫大, また柴犬ではその他膀胱結石が, ミニダックスフントでは心臓の拡張が認められた. 門脈系の血管造影により, 柴犬は門脈の奇静脈への異常接続, ミニダックスフントは末梢性門脈後大静脈短絡であると診断された. 柴犬は肝...
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| Published in | Nippon Juishikai zasshi Vol. 37; no. 4; pp. 231 - 236 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本獣医師会
01.04.1984
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0446-6454 2186-0211 |
| DOI | 10.12935/jvma1951.37.231 |
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| Summary: | 血尿が主訴である50日齢の雌の柴犬と, 神経症状が主訴である4カ月齢の雌のミニダックスフントで, 先天性門脈大静脈短絡が診断された. 特徴的な臨床検査所見は高アンモニア血症, 低蛋白血症およびBSP試験の延長であった. また, ミニダックスフントの脳症発症時の血漿中側鎖アミノ酸の芳香性アミノ酸に対する割合は1. 02であった. 単純X線検査では, 両者ともに小肝症および軽度の腎腫大, また柴犬ではその他膀胱結石が, ミニダックスフントでは心臓の拡張が認められた. 門脈系の血管造影により, 柴犬は門脈の奇静脈への異常接続, ミニダックスフントは末梢性門脈後大静脈短絡であると診断された. 柴犬は肝性脳症により78日後に死亡した. また, ミニダックスフントは厳しい低蛋白食の給餌により, 約15カ月現在なお健在である. |
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| Bibliography: | ZZ00014801 290417 |
| ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
| DOI: | 10.12935/jvma1951.37.231 |