森林にかかわる活動への参加希望に影響を及ぼす認識の分析 神戸市の高校生を事例に

本研究の目的は,普通科の高等学校で森林環境教育の実施に資するために,森林にかかわる活動に対する高校生の意識を一つの指標として,生徒の参加したい活動の種類とその背景となる事項を明らかにすることである.神戸市内の高校において,2008年と2009年の一年生に対し,森林や農山村に関する意識を問うアンケート調査を実施した.二回の調査で計598名に配布し,591名から回答を得た.有効回答数は554名で,有効回答率は92.6%であった.調査結果に多重ロジスティック回帰分析を適用し,統計的に処理した.その結果,9割の生徒は森林にかかわる活動への参加を希望していることが分かった.さらに,森林内での作業を体験し...

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Published in森林研究 Vol. 78; pp. 11 - 18
Main Author 河瀬, 麻里
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立大学法人 京都大学フィールド科学教育研究センター 01.09.2012
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ISSN1344-4174
2759-3134
DOI10.60409/forestresearch.78.0_11

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Summary:本研究の目的は,普通科の高等学校で森林環境教育の実施に資するために,森林にかかわる活動に対する高校生の意識を一つの指標として,生徒の参加したい活動の種類とその背景となる事項を明らかにすることである.神戸市内の高校において,2008年と2009年の一年生に対し,森林や農山村に関する意識を問うアンケート調査を実施した.二回の調査で計598名に配布し,591名から回答を得た.有効回答数は554名で,有効回答率は92.6%であった.調査結果に多重ロジスティック回帰分析を適用し,統計的に処理した.その結果,9割の生徒は森林にかかわる活動への参加を希望していることが分かった.さらに,森林内での作業を体験したい人は,農村部に居住を希望し,農林業・木材業関連の職業に関心があったが,どのような活動にも参加を希望しない人は,都市部に居住を希望しており,森林を含む自然環境や農山村への関心が低いことが明らかになった.これらの研究結果を一般化するためには,調査地を増やし,さらなる検討を加える必要がある.
ISSN:1344-4174
2759-3134
DOI:10.60409/forestresearch.78.0_11