超臨界流体抽出 (SFE) による穀類・豆類中の残留農薬の一斉分析法の妥当性評価

超臨界流体抽出による穀類・豆類中の残留農薬分析法を検討した. ペースト状に細切均一化した試料を吸水性ポリマーおよびケイソウ土と混和させた後, 抽出容器に充填し, 超臨界状態の二酸化炭素で抽出操作を実施した. 抽出成分をアセトニトリルに溶解させ, ミニカラム(ENVI-Carb II/PSA+PSA)で精製した. 測定はGC-MS/MSを用い, 試験溶液のマトリックス効果の影響を加味し, マトリックス検量線で定量した. 5種の農産物について334農薬, 添加濃度0.01および0.1μg/gにおける妥当性評価(2試行×5日)を実施した結果, 137農薬が真度, 精度の目標値を満たした. また, 1...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 53; no. 6; pp. 278 - 291
Main Authors 浦西克維, 山下浩一, 岡山明子, 山本圭吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食品衛生学会 25.12.2012
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ISSN0015-6426

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Summary:超臨界流体抽出による穀類・豆類中の残留農薬分析法を検討した. ペースト状に細切均一化した試料を吸水性ポリマーおよびケイソウ土と混和させた後, 抽出容器に充填し, 超臨界状態の二酸化炭素で抽出操作を実施した. 抽出成分をアセトニトリルに溶解させ, ミニカラム(ENVI-Carb II/PSA+PSA)で精製した. 測定はGC-MS/MSを用い, 試験溶液のマトリックス効果の影響を加味し, マトリックス検量線で定量した. 5種の農産物について334農薬, 添加濃度0.01および0.1μg/gにおける妥当性評価(2試行×5日)を実施した結果, 137農薬が真度, 精度の目標値を満たした. また, 101農薬は真度が50~70%である一方, 精度は目標値を満たした. 本法は精度, 迅速性に優れ, さらに簡易である点において, 穀類・豆類中の残留農薬分析法として利用可能と考えられる.
Bibliography:850103
ZZ00009680
ISSN:0015-6426