カテゴリカル主成分分析を用いた, 糖尿病患者における血糖値に影響する食品および料理の認識に関する検討

要旨:糖尿病患者が適正体重を保つ食事量に加え, 血糖値を上げやすい食品・料理を認識していることも重要だが, この点に関する既報は乏しい. そこで糖尿病患者に血糖値を上げやすい栄養素・食品・料理の認識に関する調査を行い, カテゴリカル主成分分析(CATPCA)により解析した. 栄養素として炭水化物が血糖値を上げやすいと答えた224名中136名(61%)(C認識良好群)は, 食品・料理レベルでも, 高炭水化物のものを正しく選択していたが, 炭水化物以外を回答した群(C認識不良群)は, 血糖値を上げるものとして, 高脂質の食品・料理を高頻度で選んでいた. CATPCAで得られた「高炭水化物食品」因子...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 66; no. 2; pp. 77 - 85
Main Authors 藤井彩乃, 幣憲一郎, 永口美晴, 和田啓子, 北浦鏡子, 水本香菜, 桑原晶子, 稲垣暢也, 田中清
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養・食糧学会 10.04.2013
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ISSN0287-3516

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Summary:要旨:糖尿病患者が適正体重を保つ食事量に加え, 血糖値を上げやすい食品・料理を認識していることも重要だが, この点に関する既報は乏しい. そこで糖尿病患者に血糖値を上げやすい栄養素・食品・料理の認識に関する調査を行い, カテゴリカル主成分分析(CATPCA)により解析した. 栄養素として炭水化物が血糖値を上げやすいと答えた224名中136名(61%)(C認識良好群)は, 食品・料理レベルでも, 高炭水化物のものを正しく選択していたが, 炭水化物以外を回答した群(C認識不良群)は, 血糖値を上げるものとして, 高脂質の食品・料理を高頻度で選んでいた. CATPCAで得られた「高炭水化物食品」因子と「高炭水化物料理」因子は, C認識良好群では有意の相関を示した. しかし, C認識不良群では相関せず, 栄養素レベルの判断が誤っているのみならず, 食品・料理レベルの認識においてもずれが生じており, 栄養指導の際に留意すべきと考えられた.
Bibliography:851957
ZZ00014795
ISSN:0287-3516