ラクトノナデカペプチドの認知機能に対する作用の研究とその応用
「要旨」: 近年, 世界中における高齢者の増加に伴い, 認知機能維持に役立つ安全で安心な食品の開発が期待されている. 発酵乳は古くから健康に良い効果を持つと考えられ, その生理機能に関する研究が行われてきた. 我々は, Lactobacillus helveticusを用いて脱脂乳を発酵させた酸乳に着目し, 認知機能への影響を検証した結果, 記憶力改善作用を見出し, 活性本体として牛乳βカゼイン由来の19残基ペプチドNIPPLTQTPVVVPPFLQPE(ラクトノナデカペプチド, 以下LNDP)を同定した. 食品用途への応用を進めるべく, LNDP含有食品が健常者の認知機能へ与える効果について...
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| Published in | Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 75; no. 6; pp. 305 - 309 |
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| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本栄養・食糧学会
10.12.2022
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0287-3516 |
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| Summary: | 「要旨」: 近年, 世界中における高齢者の増加に伴い, 認知機能維持に役立つ安全で安心な食品の開発が期待されている. 発酵乳は古くから健康に良い効果を持つと考えられ, その生理機能に関する研究が行われてきた. 我々は, Lactobacillus helveticusを用いて脱脂乳を発酵させた酸乳に着目し, 認知機能への影響を検証した結果, 記憶力改善作用を見出し, 活性本体として牛乳βカゼイン由来の19残基ペプチドNIPPLTQTPVVVPPFLQPE(ラクトノナデカペプチド, 以下LNDP)を同定した. 食品用途への応用を進めるべく, LNDP含有食品が健常者の認知機能へ与える効果について, 対象, 摂取期間, 神経心理評価を変えた臨床試験にて検証した. その結果, LNDP(2.1-4.2mg/日, 8-24週間)を含有する飲食品の摂取により, 注意力, 情報処理能力, 記憶力などの認知機能維持が認められた. これらの研究成果を基に, LNDP含有食品は機能性表示食品として実用化されており, 高齢化社会における人々の健康維持, 増進に貢献できるものと考えている. |
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| Bibliography: | 945707 ZZ00014795 |
| ISSN: | 0287-3516 |