グリセロール(1.4M)加蔗糖液を用いたウシ胚の凍結と移植試験

授精後7日目に回収したウシ胚を1.4Mグリセロールを含む0.2Mまたは0.35M蔗糖加PBSの凍結用培地を用い,0.25mlの容量のストローに注入して実験に供した。ストローを-6°Cに設定したフリーザー内に直接浸漬し,5分後に植氷したのち毎分0.3°Cの速度で冷却し,-6°C,-10°C,-15°C,-20°C,-25°C,-30°Cの各温度域から液体窒素中に浸漬して融解後の生存性を調べ,さらに生存性の高かった領域からの凍結融解胚からグリセロールを除去することなく受卵牛に移植して受胎性を調べた。 0.2M蔗糖加PBSを用いた試験区の胚の生存性は,-20°C,-25°C,-30°Cの各温度域から...

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Published inKachiku hanshokugaku zasshi (Tōkyō. 1977) Vol. 35; no. 3; pp. 125 - 129
Main Authors 石田, 隆志, 鈴木, 達行, 酒井, 豊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本繁殖生物学会 01.09.1989
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ISSN0385-9932
DOI10.1262/jrd1977.35.125

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Summary:授精後7日目に回収したウシ胚を1.4Mグリセロールを含む0.2Mまたは0.35M蔗糖加PBSの凍結用培地を用い,0.25mlの容量のストローに注入して実験に供した。ストローを-6°Cに設定したフリーザー内に直接浸漬し,5分後に植氷したのち毎分0.3°Cの速度で冷却し,-6°C,-10°C,-15°C,-20°C,-25°C,-30°Cの各温度域から液体窒素中に浸漬して融解後の生存性を調べ,さらに生存性の高かった領域からの凍結融解胚からグリセロールを除去することなく受卵牛に移植して受胎性を調べた。 0.2M蔗糖加PBSを用いた試験区の胚の生存性は,-20°C,-25°C,-30°Cの各温度域から液体窒素中に浸漬した各区で高く,それぞれ100%(6/6),100%(3/3),80%(4/5)となった。また0.35M蔗糖加PBSを用いた場合の胚の生存性は-15°Cと-20°Cから浸漬した両区で高く,それぞれ74%(14/19),67%(8/12)となった。凍結融解後0.2Mと0.35M蔗糖加PBSとも生存性の高かった-20°Cおよび-15°Cから液体窒素中に浸漬した両胚を用い,融解後グリセロールを除去することなく直接注入により受卵牛へ非手術的に移植した実験では,それぞれ57%(4/7),36%(5/14)が受胎し,計10頭の産子が得られた。
Bibliography:ZZ00021434
441875
ISSN:0385-9932
DOI:10.1262/jrd1977.35.125