シミュレーションモデル (PADDY-Large) と種の感受性分布 (SSD) を用いた複数の農薬使用に伴う累積的生態リスク評価手法の開発 : 茨城県南部桜川支流域における水稲栽培への適用

「緒言」 農林水産省では農業の持つ物質循環機能を活かし, 生産性との調和に留意しつつ, 化学合成農薬や化学肥料の使用を低減することを基本とした環境保全型農業を推進している. その一環として, 2003年に特別栽培農産物に係る表示ガイドラインが改正され, 化学合成農薬と化学肥料の双方を慣行レベル(各地域で慣行的に行われている化学合成農薬および化学肥料の使用状況)に比べて5割以上減らして栽培された農産物を「特別栽培」と表示することが可能となった. 慣行レベルは地方公共団体が個別に策定または確認し, 節減割合の算定基準に用いられている. しかし, 都道府県が定めた水稲栽培における化学合成農薬の慣行レ...

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Published inNihon Nōyaku Gakkai shi (2013) Vol. 46; no. 2; pp. 51 - 62
Main Authors 稲生圭哉, 永井孝志, 横山淳史, 岩崎亘典, 堀尾剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 01.08.2021
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ISSN2187-0365

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Summary:「緒言」 農林水産省では農業の持つ物質循環機能を活かし, 生産性との調和に留意しつつ, 化学合成農薬や化学肥料の使用を低減することを基本とした環境保全型農業を推進している. その一環として, 2003年に特別栽培農産物に係る表示ガイドラインが改正され, 化学合成農薬と化学肥料の双方を慣行レベル(各地域で慣行的に行われている化学合成農薬および化学肥料の使用状況)に比べて5割以上減らして栽培された農産物を「特別栽培」と表示することが可能となった. 慣行レベルは地方公共団体が個別に策定または確認し, 節減割合の算定基準に用いられている. しかし, 都道府県が定めた水稲栽培における化学合成農薬の慣行レベル(農薬成分使用 回数)は地域により様々であり, 最大で岐阜の24回, 最小で群馬および長野の12回と2倍の差がある(2013年度時点).
Bibliography:941893
ZZ20502360
ISSN:2187-0365